2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21320122
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
渡辺 尚志 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (10192816)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池 享 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (20134885)
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Keywords | 生業交流 / 日本近世史 / 農・山・漁村 |
Research Abstract |
平成23年度は、研究実施計画に沿って、阿波国山間部(現徳島県神山町周辺)、伊豆国内浦地方(現静岡県沼津市)、信濃国松代藩領(現長野県長野市)、出羽国村山郡(現山形県天童市・東根市)の調査・研究を並行して進めた。 阿波国については、平成23年10月20日~10月21日に現地調査を行った。調査では、徳島県立文書館・神山町郷土資料館において、所蔵史料の閲覧と写真撮影を行い、合わせて徳島市・神山町においてフィールドワークを行った。この調査では、史料の記載内容とフィールドワークで得られた知見とを総合することによって、近世の山村における生業交流についての研究を進展させることができた。 伊豆国内浦地方については、平成23年9月17日~19日に現地調査を行った。調査においては、平成21・22年度に引き続き、三津村日吉家に保存されている近世・近代文書について、目録作成・封筒詰め・写真撮影を行い、調査・整理を完了した。調査においては、近世漁村の生業交流に関する重要史料を多数発見・写真撮影することができ、近世漁村の生業交流についての具体的なイメージを形成することができた。 信濃国松代藩領については、国文学研究資料館(立川市)所蔵の松代藩真田家文書の分析を行い、大名家文書と既調査の村方文書の内容を突き合わせることによって、近世農村における生業交流の具体相と、生業構造に藩の政策が与えた影響について考察を深めた。この研究成果の一部は、荒武賢一朗・渡辺尚志編『近世後期大名家の領政機構信濃国松代藩地域の研究III』(岩田書院、平成23年5月)として刊行した。 出羽国村山郡については、平成23年度までの研究成果を、渡辺尚志編『東北の村の近世』(東京堂出版、平成23年12月)として刊行した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で設定した4か所の調査対象地のうち、伊豆国内浦地方(現静岡県沼津市)と出羽国村山郡(現山形県天童市・東根市)については、計画どおりに調査・研究が完了した。また、阿波国山間部(現徳島県神山町周辺)と信濃国松代藩領(現長野県長野市)については、調査・研究が順調に進展している。さらに、出羽国村山郡と信濃国松代藩領については、研究成果を論文集として刊行することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は本研究の最終年度となるので、調査・研究に一応の区切りを付けて成果を出す。4か所の調査対象地のうち、伊豆国内浦地方と出羽国村山郡については調査・研究が予定通り完了しているので、平成24年度は、阿波国山間部と信濃国松代藩領の調査・研究に全力をあげる。現時点では、研究計画の変更や、研究遂行上の問題点等はない。
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