2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21320128
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Research Institution | National Museum of Japanese History |
Principal Investigator |
小島 道裕 National Museum of Japanese History, 研究部, 教授 (90183805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安達 文夫 国立歴史民俗博物館, 研究部, 教授 (30321540)
井原 今朝男 国立歴史民俗博物館, 研究部, 教授 (20311136)
大久保 純一 国立歴史民俗博物館, 研究部, 教授 (90176842)
玉井 哲雄 国立歴史民俗博物館, 研究部, 教授 (80114297)
松尾 恒一 国立歴史民俗博物館, 研究部, 准教授 (50286671)
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Keywords | 資料 / 絵画 / 洛中洛外図屏風 / 画像分析 / 復元 / 複製 / デジタルアーカイブ |
Research Abstract |
本研究は、現存最古の洛中洛外図屏風である「歴博甲本」について、描かれた内容の読み解きを進めると共に、欠損部分や褪色を再現して、復元複製を制作することを主な目的としている。 今年度は、前者については研究会を開催して研究の現状と課題を把握し、代表者は図書を刊行して、現時点における最新の研究成果をまとめた。 復元複製の制作に向けては、まず正確な現状複製を作成することが必要であるが、これを年度内に完成することができた。その際、元となるデジタルデータの取得には、業者と協議して改良を加えたスキャニング装置を用いて、これまでにない、精細で立体感や反射も再現することのできるデータを作成することができた。 デジタルデータは、パソコン画面でも閲覧ができるように工夫したことで、読み解きについても新たな段階にはいることができた。たとえば、画面に塗られていた金泥は、現状ではほとんど剥落しているが、デジタルデータの反射を読み取ることで、肉眼では見えない金泥を検出することができ、復元に向けての手がかりを得ることができた。 一方で、描かれた人物についてのデータベース制作を進め、1300人以上の人物を、キーワードによって検索・表示することが可能になりつつある。 復元については、現在の画面にある疵の消去や、後補部分の確認などの作業がすでに進んでおり、また大きな欠損については、再現案をデジタルデータ化して、第1次復元案を作成するに至っている。 また、教育用の資料や電子データの活用についても課題としており、ワークショップやホームページでの公開などによって、経験と実績を積み重ねている。
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Research Products
(5 results)