2009 Fiscal Year Annual Research Report
天聖令と両『唐書』食貨志による唐宋変革期の社会経済史的研究
Project/Area Number |
21320132
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
渡辺 信一郎 Kyoto Prefectural University, 文学部, 教授 (10031618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮澤 知之 佛教大学, 歴史学部, 教授 (70166164)
山崎 覚士 佛教大学, 歴史学部, 准教授 (40419685)
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Keywords | 天聖令 / 『新唐書』 / 『旧唐書』 / 食貨志 |
Research Abstract |
初年度である今年は、第一に基礎的作業として『新唐書』・『旧唐書』食貨志の合訂テキストを編定するとともに、研究協力者の協力をえて会読をおこない、その訳注暫定稿を作成している。年度末までに賦役制関係の会読・訳注作業をおこなった。両『唐書』食貨志を対比して会読してみると、旧食貨志が原史料に比較的忠実であるのに対して、新食貨志は独自の価値判断のもとに原資料の削除・編集をおこなっていることが判明した。単純な合訂による訳注はかえって新食貨志の史学史的意義をそこなうことになるので、現在は両『唐書』食貨志を対比的に会読しつつ、訳注は新旧食貨志ごとに作成することを考えている。 第二に天聖令については、研究代表者が天聖倉庫令の訳注作業をおこない、本共同研究会で報告するとともに、本研究会のニューズレターである『唐宋変革研究通訊』第1輯に収載して公刊した。 第三に国内で共同研究会を6月・3月に2回開催し、伊藤正彦「唐宋変革の歴史的評価のために」、渡辺信一郎「天聖倉庫令にみる唐宋変革」、島居一康「宋代塩課の分配方式」(『唐宋変革研究通訊』第1輯に収載)、大澤正昭「唐宋時代社会経済史史料の再検討」、高橋継男「唐代巡院関係新史料の紹介」の報告と討論をおこなった。 第四に国内での研究のほかに、10月、上海の華東師範大学において戴建国(上海師範大学)・牟発松(華東師範大学)両氏とともに共同研究会を開催し、渡辺研究代表が「唐宋変革の社会経済史的研究の趣旨」と題して本科研研究の概要と目的を説明したのち、宮澤知之が「日本における唐宋変革期の流通経済史研究」を報告し、唐宋変革をめぐって日中の参加者が討論するとともに、23年度に予定している国際シンポについて意見交換した。また、天聖令の所蔵機関である寧波の天一閣博物館を訪問し、調査した。
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Research Products
(4 results)