2011 Fiscal Year Annual Research Report
天聖令と両『唐書』食貨志による唐宋変革期の社会経済史的研究
Project/Area Number |
21320132
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
渡辺 信一郎 京都府立大学, 学長 (10031618)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮澤 知之 佛教大学, 歴史学部, 教授 (70166164)
山崎 覚士 佛教大学, 歴史学部, 准教授 (40419685)
|
Keywords | 天聖令 / 『新唐書』 / 『旧唐書』 / 食貨志 |
Research Abstract |
第3年度である今年は、第一に基礎的作業として月平均二回程度、佛教大学文学部において、島居一康・宮澤知之・山崎覚士のほか、佛教大学・京都府立大学の大学院生をまじえて、旧『唐書』食貨志の会読・訳注をおこなった。会読は、すでに食貨志上を終え、食貨志下の塩法から漕運に入っており、訳注の基礎作業は四分の三にいたった。 第二に2011年10月22日・23日両日、京都府立大学において、「唐宋変革国際会議」を開催し、海外研究協力者華東師範大學牟發松教授、上海師範大学戴建国教授(国立政治大学王徳権副教授は事情により論文参加)をはじめとする日中台の研究者のべ60名あまりと共同研究をおこない、唐宋変革をめぐって討論した。 第三に2012年3月2日~4日に、国内でワークショップ「中国専制国家論と唐宋変革」を開催し、足立啓二著『明清中国の経済構造』および島居一康著『宋代財政構造の研究』を素材に専制国家の経済構造の特質と唐宋変革を中心とする時代区分について報告と討論をおこなった。 第四に「唐宋変革国際会議」で報告された原稿を中心に『唐宋変革研究通訊』第3輯(A4判119頁)を編集し、関係研究機関・研究者に配布して、本研究の一端を公開した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
訳注対象テキストから『唐書』食貨志を外したほかは、研究目的および研究実施計画において予定していた研究活動を着実に実施している。その内容は、毎年公刊している『唐宋変革研究通訊』第1輯~第3輯に反映している。
|
Strategy for Future Research Activity |
最終年度である2012年度中に『旧唐書』食貨志の訳注作業を終えるので、その取りまとめと整理に入りたい。できれば出版したいが、資金等別途の推進計画が必要である。訳注対象から外した『唐書』食貨志は、訳注作業を行う過程で、原史料を大胆に整理したり、書き換えたりしていることが判明した。典拠資料の収集と史料批判をしたうえでないと訳注をおこなっても史料価値がないので、充分な期間をとり、別途研究計画を立てて研究を進めたい。具体的な各課題の研究成果については、『唐宋変革研究通訊』誌上に毎年掲載してきているので、最終年度も第4輯を公刊する予定である。
|
Research Products
(4 results)