2009 Fiscal Year Annual Research Report
1910~30年代における日本の中国認識--華北地域を中心に
Project/Area Number |
21320136
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Research Institution | The Toyo Bunko |
Principal Investigator |
本庄 比佐子 The Toyo Bunko, 研究部, 研究員 (50106639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 雅生 財団法人 東洋文庫, 研究部, 研究員 (30151905)
久保 亨 財団法人 東洋文庫, 研究部, 研究員 (10143520)
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Keywords | 近代日中関係史 / 華北調査 / 華北地域概念 |
Research Abstract |
1)1910~30年代を中心に日本の各種機関が華北地域で行った調査活動の報告書類および関連資料について、国内では東洋文庫のほか、国立国会図書館、防衛庁防衛研究所図書館、一橋大学経済研究所図書室、滋賀大学経済経営研究所、九州大学記録資料館、神戸大学図書館などで所蔵状況などを調査した。また中国では、中国社会科学院経済研究所、中国農業大学図書館、山西省図書館などで調査を行い、原文書を含め国内に無い資料を見つけることができた。 2)収集した資料および既存の資料に基づいて、以下のテーマを中心に調査の具体的内容の分析、検討を行っている。社会経済関係としては、工業調査、地下資源調査、水利と社会結合、農業技術指導、華北綜合研究所による調査と刊行物など、社会文化方面では、廟会・廟信仰、日本人の「支那観光」など。 3)上記の諸テーマの検討を通して当時の日本が中国をどのように認識していたかが具体的に明らかにされるであろうが、併せて、中国における日本人経営の雑誌から読み取れる中国認識を見るために、それら雑誌の論調の整理に着手した。今後、これを国内の論調と比較分析する予定である。 4)以上の研究を進める過程で、「華北」地域の概念が必ずしも明確ではないことを認識した。中国における「華北」概念、日本が戦前期に使用した「北支」「北支那」との関係、その区域の範囲などである。華北地域概念の形成過程について、政治的、経済的、社会的諸側面から検討を続けることとした。
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Research Products
(9 results)