2012 Fiscal Year Annual Research Report
1910~30年代における日本の中国認識ーー華北地域を中心に
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21320136
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Research Institution | The Toyo Bunko |
Principal Investigator |
本庄 比佐子 (財)東洋文庫, 研究部, 研究員 (50106639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 亨 (財)東洋文庫, 研究部, 研究員 (10143520)
内山 雅生 (財)東洋文庫, 研究部, 研究員 (30151905)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 華北調査 / 華北地域概念 / 近代日中関係史 |
Research Abstract |
昨年度に開催した公開シンポジウム「華北の発見」における報告を基に、論文集として刊行するための準備作業を行った。まず、シンポジウムで各報告に寄せられたコメントと総括的討論を検討したのち、報告者は必要な調査を行って以下のように論文第1稿を作成した。 地域概念に関しては、日本語文献の分析に基づいた「華北地域概念の形成と日本」、いわゆる「外地」の日本人社会における華北認識を解明する「『朝鮮及満州』における<華北>認識の展開」、「新聞記事から見る華北認識」、中国の西北概念の考察を通して華北を考えようとする「<西北>概念の変遷」、「戦時期華北に暮らした日本人にみる中国・華北(北支)・山西」、「中国における近代華北地域史研究の現状と展望」、ドイツにおける華北認識を考察した「ドイツ・中国関係史からみた華北」の7編が提出された。地域史研究の分野では、日本人研究者の華北概念を考察した「戦中期の日本の中国農村研究と<華北>」、農産物の生産状況から華北の範囲を考える「近現代華北農村経済の特質について」、村落の祠・廟における祭祀をとりあげた「民間信仰からみる近代江南農村と近代華北農村」、戦前期日本人の観光旅行から考えた「旅先としての<華北>」、戦中期に日本人が調査した4農村の現在における変化を考察した「追跡調査から見た華北農村の変化」、政治的中心の都市から鉄道網の整備に伴い経済中心都市へ変わる問題を論じた「華北における近代交通システムの形成と都市の変動」、農村集団化時期を取り上げた「村档案から問い直す現代華北農村」の7編が提出された。 以上の第1稿について、外部の関係者からコメントを聴く会及びメンバー相互のコメント交換を行い、最終稿への準備を整えることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
25年度論文集刊行に向けて論文第1稿から第2稿へ作業が進んでおり、予定通りと言える。また、23年度シンポジウム以来参加の中国の研究者3名と米研究者からも論文の提出を得ており、順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
論文集を刊行する。その後、華中・華南についても同様に日本の地域認識を中心に研究を行う。その検討を通して当該地域のみならず華北認識についても研究を深められるであろう。そして、近代の日中関係史において日本人の中国区域分類に対する認識の問題を総合的に検討したいと考えている。
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Research Products
(22 results)