2010 Fiscal Year Annual Research Report
飛鳥・川原寺裏山遺跡の総合的研究-出土品から見た川原寺の特質-
Project/Area Number |
21320149
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
米田 文孝 関西大学, 文学部, 教授 (00298837)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西本 昌弘 関西大学, 文学部, 教授 (00192691)
原田 正俊 関西大学, 文学部, 教授 (40278883)
長谷 洋一 関西大学, 文学部, 教授 (60388410)
河上 邦彦 神戸山手大学, 現代社会学部, 教授 (80271584)
市元 塁 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館, 学芸部, 研究員 (40416558)
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Keywords | 川原寺裏山遺跡 / 川原寺裏山遺跡第二次発掘調査 / 川原寺(弘福寺) / 三尊〓仏 / 塑像 / 水波紋〓 / X線CTスキャン |
Research Abstract |
平成22年度の調査研究は,前年度に策定した整理方針とその成果にもとづき,昭和49年度に実施された川原寺裏山遺跡第一次発掘調査による出土遺物の正確な内容把握,及び各種遺物の実測調査を推進した。また,第一次発掘調査で確認した埋納坑の形態確認を主眼とした同遺跡第二次発掘調査を実施した。 まず,出土遺物の整理作業では,後述する発掘調査現地検討会と同日の3月20日に関係者が明日香村公民館において第2回研究推進会議を開催した。会議では第二年度の出士遺物整理状況の報告と,第一次・第二発掘調査の成果を検討・確認するとともに,第3年度の出土資料整理の方針を策定した。第2年度の成果では,(1)考古学・美術史分野の担当者は三尊博仏と塑像の接合や台帳作成を推進した。また,画像処理分野の担当者と三尊博仏の画像データ作成を試行し,その成果の一部を公表した。(2)考古学分野の担当者は国内の事例をデータ化するとともに,東アジアの類例について現地調査した。(3)保存科学分野の担当者は出土金属製品の種別や材質などの台帳作成し,クリーニングをはじめ最適な保存処理方法を試行した。(4)文献・仏教史学分野の担当者は,川原寺をはじめとした関連古代寺院にかかる史料を収集・整理した。 また,川原寺裏山遺跡第二次発掘調査は,地権者をはじめとした地域住民や行政機関との事前協議に基づき,明日香村教育委員会との共同調査として,平成23年2月~3月に実施した。発掘調査では第一次発掘調査で大量の遺物が確認された埋納坑について詳細なデータを取得した。3月20日には関係者が参集して現地検討会を実施し,第一次調査との整合性をはじめとした調査成果に遺漏を生じないように配慮した。
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