2009 Fiscal Year Annual Research Report
海洋の生物多様性保全の国際法-海洋法と環境法の統合的アプローチの探求
Project/Area Number |
21330012
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
田中 則夫 Ryukoku University, 大学院・法務研究科(法科大学院), 教授 (40148391)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富岡 仁 名古屋経済大学, 法学部, 教授 (00126880)
高村 ゆかり 龍谷大学, 法学部, 教授 (70303518)
河 錬洙 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (50435989)
加々美 康彦 中部大学, 国際関係学部, 准教授 (30449889)
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Keywords | 海洋法 / 環境法 / 生物多様性 / 海洋保護区 / 海洋遺伝資源 |
Research Abstract |
2009(平成21)年度においては、共同研究参加者全員が、本研究の基本的な課題意識、すなわち、海洋生物多様性保全の要請が国家管轄権の配分を基軸に形成されてきた国際海洋法にいかなる課題を提示しているか、また、海洋秩序との整合性を常に検証しながら形成されてきたとはいえない国際環境法にいかなる変容を迫っているかを明らかにするという課題意識に基づき、(1)海洋保護区(MPA)、(2)海洋生物資源管理における生態系アプローチ・予防原則、(3)海洋遺伝資源の法的地位という3つの問題に関する先行研究の状況を総合的に整理・検討するとともに、国連総会とその下での作業グループで行われている、本研究課題に関係する現時点での議論状況を分析し、共同研究参加者が有する情報の共有化を図った。 これらの作業を推進するために共同研究会を開催した。研究会では、併せて、日本と韓国におけるMPA研究の動向分析も行った。また、2009年8月に開催されたアジア国際法学会東京大会では、分科会を企画し、オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学David Leary氏を招聘し、海洋生態系に悪影響を与えることが懸念されている、海洋における炭素回収貯留の展開に伴う国際的対応の動向に関する知見の提供を受けた。今年度においては、さらに、共同研究参加者が分担して、国際海事機関(ロンドン)におけるMPAの設置に関する世界状況の調査、台湾国際法学会での基調講演(海洋生物多様性保全について)、韓国の海洋研究所(KORDI)での資料調査、国際環境法の基本原則に関する国際シンポジウム(英国ケンブリッジ大学)での報告などを行い、次年度以降の研究に繋がる調査活動を行った。 以上の作業を通じて、上記の3つの問題のいずれに関しても、現行の国際海洋法および国際環境法の修正、相互調整、補足・発展さらには新たな法定立などが求められている全般的な状況を明らかにした。
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Research Products
(7 results)