2010 Fiscal Year Annual Research Report
海洋の生物多様性保全の国際法-海洋法と環境法の統合的アプローチの探求
Project/Area Number |
21330012
|
Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
田中 則夫 龍谷大学, 大学院・法務研究科(法科大学院), 教授 (40148391)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富岡 仁 名古屋経済大学, 法学部, 教授 (00126880)
高村 ゆかり 龍谷大学, 法学部, 教授 (70303518)
河 錬洙 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (50435989)
加々美 康彦 中部大学, 国際関係学部, 准教授 (30449889)
|
Keywords | 国際海洋法 / 国際環境法 / 生物多様性 / 海洋保護区 / 海洋遺伝資源 |
Research Abstract |
2010年度においては、第一に、海洋保護区に関する国家実行の分析を進め、特に、日本の「海洋生物多様性保全戦略」とその中での海洋保護区の位置づけについて分析すると共に、韓国の海洋保護区の管理運営の実態について韓国海洋管理公団(KOEM)の協力を得ながら検討を深めた。さらに、世界各地で遠隔離島周辺に設定されている海洋保護区をめぐる実行についても検討し、その管理手法と国際法上の問題点を析出した。第二に、海洋生物多様性の保全と海洋環境保護に関する国際法の動向についても、予防原則をめぐる議論動向も含め、多面的な検討を行った。特に、国連海洋法条約締約国会議の議論状況及び海洋法に関する国連事務総長報告を分析すると共に、個別的には、船舶バラスト水の管理に関する条約を取り上げ、研究課題との関連性を確認した。第三に、2010年10月に日本で開催された生物多様性条約第10回締約国会議の交渉と決定事項(名古屋議定書)に関する分析を行うと共に、生物多様性条約の実施過程における海洋保護区設置の意義を検討した。第四に、海洋生物多様性の保全という課題が、気候変動の法制度とも相互に関連しているという認識が高まっていきていることを、気候変動対策としてとられる炭素回収貯留技術などの事例に即して分析し、今後の検討課題に組み入れるべきことを確認した。第五に、年度末に開催した共同研究会において、研究課題に関する国連諸機関(総会、FAO、IMOなど)での最新の議論状況の到達点について、全員で認識を享有する機会をもった。
|
Research Products
(15 results)