2011 Fiscal Year Annual Research Report
戦間期日本の協調外交の形成・崩壊過程の解明-新史料「内田康哉文書」に基づく分析-
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21330041
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
小林 道彦 北九州市立大学, 基盤教育センター, 教授 (80211910)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川田 稔 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (20115554)
井口 治夫 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (80288604)
西田 敏宏 椙山女学園大学, 現代マネジメント学部, 准教授 (90362566)
奈良岡 聰智 京都大学, 法学研究科, 准教授 (90378505)
森 靖夫 同志社大学, 法学部, 助教 (50512258)
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Keywords | 日本政治外交史 / 国際関係史 / 戦間期 / 国際協調外交 / 外務省 |
Research Abstract |
(1)「内田康哉関係文書」の整理・保全 本年度は、昨年度までに実施した調査を踏まえて、同文書の整理と保全作業を完了した。具体的には、以下のように進めた。(a)昨年度までに作成した本目録を補訂し、細目録の作成を行った。(b)専門業者による補修作業および史料の保全措置を完了した。さらに、将来的な史料公開に備えるため、電子データの整理を行った。(c}国立国会図書館憲政資料室と、史料のマイクロフィルムへの撮影、公開に向けた協議を行い、現地での調査も実施した。(d)遺族のもとで新たに発見された史料の整理、目録作成、デジタル撮影、翻刻を行った。 (2)資料集の公刊の準備 「内田康哉関係文書」を学界全体の共有財産として広く一般に提供するため、資料集として公刊する準備を進めた。本年度は引き続き、小林・西田・奈良岡・森・高橋勝浩(研究協力者)が中心となり、内田家、出版社と随時協議を行いつつ、翻刻・校訂作業ならびに目次の作成、解題の執筆を進めた。その成果の一端は、「内田康哉日記大正一一年」(『北九州市立大学基盤教育センター紀要』13号、2012年刊行予定)、「史料紹介大正十二年内田康哉日記」(『軍事史学』第48巻第1号、2012年6月掲載予定)として刊行予定である。さらに、重要史料を網羅した『内田康哉関係文書』の出版準備を目下進めている。 (3)個別の実証研究の開始 以上の史料的研究を踏まえつつ、各自の分担に従って、個別テーマの分析を進めた。研究代表者の小林は、明治・大正期の政軍関係の分析を行い、児玉源太郎の評伝や上原勇作に関する論文を発表した。研究分担者の川田は永田鉄山と昭和陸軍について、分担者の井口は鮎川義介と経済的国際主義について、分担者の奈良岡は加藤高明、澤田廉三について、分担者の森は永田鉄山について、研究協力者の高橋は、本田熊太郎や対米宣伝外交について分析を進め、それぞれ論考を発表した。
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Research Products
(15 results)