2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21330071
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
八木 匡 同志社大学, 経済学部, 教授 (60200474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橘木 俊詔 同志社大学, 経済学部, 教授 (70112000)
埋橋 孝文 同志社大学, 社会学部, 教授 (60213427)
伊多波 良雄 同志社大学, 経済学部, 教授 (60151453)
川口 章 同志社大学, 政策学部, 教授 (50257903)
宮澤 和俊 同志社大学, 経済学部, 教授 (00329749)
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Keywords | 所得変動リスク / 階層間移動性 / コミュニティ機能 / 格差感 / ソーシャルキャピタル / クリエイーターの所得変動 / 創造経済 |
Research Abstract |
本年度の研究では所得変動リスクが格差感および幸福感に与える影響を分析するため、個人の若年期から現在までの社会における相対的ポジションの変移を示す階層間移動に着目し、所得変動リスクが格差感および幸福感に与える影響を重回帰分析および順序プロビット分析を行った。まず,所得変動リスクを階層間移動性で表し、移動性を表す変数の特性とその変数が反映している移動要因との関連性を明らかにした.このような準備の基で,格差感および幸福感の決定要因としてのコミュニティ機能の重要性を実証的に分析する.本研究では,コミュニティ機能の向上をもたらすソーシャル・キャピタルが,人々のライフリスクを軽減し,格差感を減少させる機能を有しているかを実証的に分析した.具体的には,移動性の状態を明らかにした上で,格差感および幸福感がどのような要因によって決定されるかを明らかにする中で,コミュニティ機能が与える影響について分析した.その結果,コミュニティの相互扶助機能の向上は,格差感に対しては大きな影響を与えないものの,幸福感を増大させることが分析結果から確認された.すなわち、所得変動リスクがコミュニティ機能によってどれほど、緩和されるかを調べたことになる。分析結果は,格差感が格差の公平性に関する認識によって大きく決定されているのに対し,幸福感については生活の安定感が大きな決定要因になっていることを示唆している.このことは,コミュニティ機能が人びとの生活の安定感に強い影響を与えることを意味しており,コミュニティ機能回復のための政策の重要性を示されたことになる.この他にも、創造経済で重要なクリエイターの所得変動リスクの問題とそれにたいする最適政策に関する研究も進めた。
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Research Products
(18 results)