2010 Fiscal Year Annual Research Report
交通インフラの整備・維持に関する制度・理論・実証分析―国際比較-
Project/Area Number |
21330072
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
篠原 総一 同志社大学, 経済学部, 教授 (30121594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鹿野 嘉昭 同志社大学, 経済学部, 教授 (60241767)
加藤 一誠 日本大学, 経済学部, 教授 (60290269)
手塚 広一郎 福井大学, 教育地域科学部, 准教授 (90323914)
小巻 泰之 日本大学, 経済学部, 教授 (80339225)
小島 克巳 神戸夙川学院大学, 観光学部, 准教授 (20511330)
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Keywords | 空港債 / 港湾間競争 / PFI / リスク負担 / 北東アジア / 社会資本 / 産出効率性 / 技術変化 |
Research Abstract |
(1)インフラの所有形態と資金調達の効率性:民間の資金調達にのみに依存することでリスクが大きくなり,民間のリスク負担にともなう資金調達コストが高くなることを示す。アメリカの空港はその事例であり,公的部門が所有することによって債券の格付けを押し上げている。成果は世界交通会議(WCTR)で報告した(手塚・加藤)。 (2)中国の経済政策の分析と社会資本の生産性の計測:欧米諸国の財政金融政策の動向を整理し,中国の社会資本に関連するデータベースを地域ごとに作成し社会資本の生産力効果を推計した。結果は,社会資本の蓄積が経済成長を促してきたことが証明された。(小巻・篠原・加藤)。財政金融政策については,リーマンショック前後の決定要因についてみたところ,インフレ抑制に注力したため経済活動の急速な悪化を招き,その後の財政悪化を引き起こす要因となったことが示された(小巻)。 (3)中国の産業集積と物流:義鵜市周辺の雑貨卸売の集積を視察し,産業立地の現状と原因について論文の執筆を進める(鹿野・野間) (4)港湾間競争の分析:東アジアの港湾間競争をゲーム理論の枠組みを用いて分析し,1990年から2009年に至る神戸港と釜山港の港湾の競争力について,港湾の容量投資,港湾料金(ポートチャージ)との関係について検討した。 この成果は,IAME(国際海運経済学会)のコンファレンスにて報告した(手塚)。 (5)日本の空港の投入産出について1987年-2005年の比較的大きなパネルデータを用いて、比較静学的にその生産性技術の進歩を計測した(吉田)。 (6)日本,中国および韓国の主な空港を対象にData envelopment analysisを用いて産出効率性を計測したところ,規制緩和と効率性の改善との間に一定の相関が見られた(吉田)。
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Research Products
(13 results)