2010 Fiscal Year Annual Research Report
収斂化と差異化、変化と安定の二軸から探る企業間の人事システムの比較
Project/Area Number |
21330096
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
須田 敏子 青山学院大学, 国際マネジメント研究科, 教授 (70387992)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八代 充史 慶応義塾大学, 商学部, 教授 (40286620)
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Keywords | 制度理論 / 組織フィールド / 人事戦略の経路依存性 / 人事戦略の摸倣困難性 / 企業間の人事システム比較 / 制度補完性 / 戦略的補完性 / 収斂化と差異化 |
Research Abstract |
2010年度の研究実績を大きくまとめると以下の3点となる。 (1)科研費調査の理論的背景をまとめた著書『戦略人事論:競争優位の人材マネジメント』の出版本科研費調査の目的は「収斂化と差異化・変化と安定の二軸」から人事システムを比較することにあるが、この「収敏化と差異化・変化と安定の二軸」に関する理論的背景をまとめた著書を研究代表者である須田敏子が出版した。 (2)フィールドスタディの実施(企業のケーススタディ・製薬企業で働く従業員のグループインタビュー) 本科研費調査は、企業間の人事システム比較を行うための具体的アプローチとして“組織フィールド内の企業間の人事システム比較と、組織フィールドを異にする企業間の人事システム比較”をとっている。さらに組織フィールドとして産業セクターをとり、研究代表者の須田敏子が製薬産業(大手新薬メーカー)を対象に、研究分担者の八代充史が金融産業(証券・投資銀行)を対象にフィールドスタディを実施した。具体的な調査方法はケーススタディであり、須田は外資系企業3社、日系企業4社を対象に、八代は慶應義塾大学産業研究員の山内麻里と共同で、外資系企業2社、日系企業3社のケーススタディを実施した。さらに須田は、調査対象の製薬産業の労働市場の実態、労働者のキャリア指向などを探るべく、連続的に製薬企業で働く従業員を対象にグループインタビューを実施した。グループインタビュー実施の理由は、企業のケーススタディの結果、調査企業の人事制度に労働流動化が強く影響を与えていることがわかったためである。 2010年度のフィールドスタディにより、研究計画段階で予定した一次データ収集はほぼ終了した。 (3)学会発表 フィールド調査の結果の第一段階の発表として、研究代表者の須田が2010年7月に日本教育学会、2010年12月に人材育成学会で発表を行った。さらに東北関東大地震で中止となったが、2011年3月に日本経営倫理学会で発表が予定されていた。
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