2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21330122
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Research Institution | University of the Sacred Heart |
Principal Investigator |
岩上 真珠 聖心女子大学, 文学部, 教授 (70213270)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 英雄 上智大学, 総合人間科学部, 教授 (20119126)
宮本 みち子 放送大学, 教養学部, 教授 (60110277)
大槻 奈巳 聖心女子大学, 文学部, 准教授 (30356133)
土屋 淳二 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (80287937)
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Keywords | 成人期への移行 / 家族 / 若者 / キャリア形成 / ジェンダー / 国際比較 / 社会学 / 社会政策 |
Research Abstract |
1.カナダと日本の比較(トロント大学で、カナダと日本のキャリア形成に関する比較研究成果の報告) 1)二カ国の類似点は、(1)高い親元同居率、(2)ジェンダーによる相違、(3)雇用形態と親元同居との相関(どちらも非正規雇用で同居率高い)。 2)二カ国の相違点は、(1)高い親元同居率の背景-日本は親の居住地、カナダはエスニシティの相違、(2)雇用に至る標準的な経路-日本では正規雇用と非正規雇用が並行的(正規の場合は最初から正規、初職非正規の場合はその後もほぼ非正規で推移)、カナダは正規雇用と非正規雇用の交差がみられる(正規→正規、非正規→正規、非正規→非正規など)、(3)キャリア形成におけるジェンダー相違の意味-日本では女性の非正規雇用が多く、女性は特にその後も正規雇用に移行しないが、カナダではとくにジェンダーによる正規・非正規の雇用差はない。 2.カナダの若者(学部学生、大学院生、社会人)へのヒアリング カナダの労働市場においてもジェンダー格差、エスニシティ格差を感じている若者は多い。また、非正規雇用をネガティブに捉える人と捉えない人に分かれる。学部学生で将来のために準備をしている学生はほぼ半数。大学院生はほぼ全員が明確な目標をもつ。 3.韓国の若者のジェネラル・データの補強 韓国では1995年以降高等教育進学率が急激に上昇し、いまや進学率の男女格差は解消もしくは逆転している。ただし、大卒男女の就業率にはわずかだがジェンダー格差が依然として残る。また、女性の非正規雇用率は男性よりも高い。韓国男性の兵役義務は男性のキャリア形成に大きな影響を与えている。
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