2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21330122
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Research Institution | University of the Sacred Heart |
Principal Investigator |
岩上 真珠 聖心女子大学, 文学部, 教授 (70213270)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 みち子 放送大学, 教養学部, 教授 (60110277)
土屋 淳二 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (80287937)
大槻 奈巳 聖心女子大学, 文学部, 准教授 (30356133)
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Keywords | 成人期への以降 / 家族 / 若者 / キャリア形成 / ジェンダー / 国際比較 / 社会学 / 社会政策 |
Research Abstract |
H23年度はこれまで行ってきた各国の調査研究をとりまとめ、論文集を刊行することが大きな目標であったが、すでに刊行を目前にしておりほぼ目標を達成できた。この論文集のねらい(研究の目的)は、不透明で不安定な時代における若者-とりわけ日本の若者-の初期キャリア形成の現状と課題を、韓国、イタリア、カナダとの国際比較調査(調査対象:25~30歳・男女・1000人)を通じて浮き彫りにしようとするものである。本書で指摘した主な点は以下のとおりである。 ① 初期キャリア形成のジェンダー格差の4カ国比較をした結果、日本では非正規雇用率や収入のジェンダー格差が4カ国中で最も大きく、また職業上の達成意欲のジェンダー格差も最も大きい。② 日本では非標準的な移行をした者は長期にわたって不利な立場に置かれており、正規雇用と非正規雇用の格差とともにジェンダー格差も依然大きい。③ 韓国では80年代半ば以降、急激な高学歴化が進んだが、他方で97年の経済危機以降失業率が高まり、男女ともに非正規雇用化が進み、学歴効果がそれほど現れていない。④ イタリアでは女性の就労率は低く、かつ失業率は高い。就職活動においても男性よりも困難を感じている割合が高い。伝統的な性別役割観は根強く残っており、職業キャリアの形成について女性はいまだ不利な条件下に置かれている。⑤ カナダの労働市場は柔軟で若者は何回か転職したのちに自分のキャリアだと思う仕事に行きつく(日本では入職時に正規雇用でないものはきわめて不利との結果と対照的)。 各国に共通していることは、成人期への移行パターン自体が、長期化し、個別化し、規定の順序どおりではなくなってきたことである。しかし、キャリア移行の具体的な経過は、ジェンダー格差を含めて国によって大きな違いがあることがわかった。この成果は、わが国のキャリア支援策への具体的な提言に結び付ける基礎データとなるであろう。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)