2011 Fiscal Year Annual Research Report
コミュニティによる災害文化生成に関する環境社会学的研究
Project/Area Number |
21330130
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
古川 彰 関西学院大学, 社会学部, 教授 (90199422)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥越 皓之 早稲田大学, 人間関係学部, 教授 (80097873)
鬼頭 秀一 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (40169892)
松田 素二 京都大学, 文学研究科, 教授 (50173852)
宮内 泰介 北海道大学, 文学研究科, 教授 (50222328)
菅 豊 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (90235846)
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Keywords | 小さな共同体 / 災害文化 / ローカルな知 / 河川(流域) / 生活史 |
Research Abstract |
本研究では、「小さな共同体」が経験し対処してきた破局的状況に着目し、共同体の柔軟で重層的な叡智を解明する。具体的には、琵琶湖北西岸の「村の日記」を共通のプラットホームにして、「災害文化とコミュニティ」に関する地域社会学的モデルを構築し、社会学的な叡智を現実社会に対する実践的働きかけに結びつける。そのうえで、災害現象に生活環境主義の立場からアプローチし、時間をかけながら災害現象を「災害文化」に変換させていく共同体の潜在力を解明することによって、災害を予防、対処し、(被災者を)援護し、記憶(継承)する共同体の知恵と実践の能動的システムを検討する。 2011年度は、最終年度にあたり、当初の予定では、災害の文化化プロセスの解明に焦点をあてて調査分析を進める予定であったが、2011年3月11日の東日本大震災により、研究代表者・研究分担者のフィールドもおおきな被害を免れなかった。そのため、災害復興のプロセスに実践的に関与しながら研究をすすめることとなった。メンバー全員で、1)これまでの収集資料の整理を分担しておこない、おもにメールを使用して論点整理をすすめた。古川、松田らは、2)琵琶湖北西岸の集落における古文書のうち「村の日記」およびそれに関連する文書の災害にかかわる記事の分析をおこなった。3)集落の家を研究所として借り上げ、院生を中心に集落での古文書を読む会や共同調査を実施した。鬼頭、宮内らは、4)院生とともに被災地となったフィールドでの災害復興に実践的に関わりながら、災害の文化化の実践的側面の調査をおこなった。5)菅、鳥越、藤村、土屋は各フィールドで当初の目的である写真収集や、調査地にかかわる文書の収集とその分析をおこなった。6)報告書作成にむけて本計画3年間のデータの整理解析に着手した。
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