2011 Fiscal Year Annual Research Report
Legitimacy:非営利サービス供給組織の存在意義
Project/Area Number |
21330138
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
須田 木綿子 東洋大学, 社会学部, 教授 (60339207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今村 肇 東洋大学, 経済学部, 教授 (70176501)
藤林 慶子 東洋大学, 社会学部, 教授 (60316289)
LARATTA Rosario 明治大学, ガバナンス研究科, 講師 (30598313)
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Keywords | 介護保険制度 / 非営利組織 / 対人サービス / 組織論 / 台湾 |
Research Abstract |
当該プロジェクトでは介護保険制度を題材に、民営化されたヒューマン・サービス領域における我が国固有の行政-営利-非営利の関係をふまえ、非営利サービス供給組織の役割を明らかにしようとしている。今年度における最も重要な事業は、我が国に類似する介護保険制度を導入使用としている台湾において、本プロジェクトで収集した日本国内のデータと比較可能なかたちで調査を実施することであった。前年度までにプレインタビュー調査を複数回行い、調査計画と調査票の修正を重ねた。その成果をふまえて今年度は、台北市と新台北市で活動する212の高齢者サービス提供事業者への訪問面接法によるアンケート調査を行った。この2つの市の間には、民営化政策について異なる点が多く、これら自治体のアプローチの違いとの関わりにおいて、高齢者ケアに関わる営利-非営利のサービス供給組織の関係を検討する。データ収集は、調査協力者である台湾・中正大学Yu Yuan Kuan教授のチームが行った。 国内の介護保険制度下の動向については、組織コミュニティ論に着目しての検討を重ね、得られた成果を米国NPO学会で発表するとともに、論文として英文学術誌に投稿した。さらに、これまで調査を実施してきた東京都葛飾区と杉並区において、通算3回目の追跡調査を実施した。対象は516介護保険指定事業者である。 この間、米国の二次データを用いての検討と、初年度の実施した日本での調査結果の公表、およびヨーロッパにおける動向との比較検討も継続して行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
台湾での調査は計画通りに順調に実施できた。米国での2次データの解析とヨーロッパの動向の把握についても、順調に進行した。国内での検討については、当初の計画どおり、投稿論文をまとめた。加えて、平成24年度に実施を検討していた国内での調査を前倒しして、平成23年度中に実施することができたのは、当初の計画以上の進展であった。
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Strategy for Future Research Activity |
5カ年計画であった本プロジェクトも後半に入った。計画したデータはすべて収集が完了しており、今年度と最終年度にあたる来年度は、成果のとりまとめが主な作業となる。日本と台湾のデータについては、データクリーニングとデータ入力および解析が今年度の主要な事業である。ヨーロッパと米国については、成果の公表が主たる事業となる。 特に予想される困難は見当たらず、着実に作業を進めたい。
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Research Products
(2 results)