2011 Fiscal Year Annual Research Report
日中韓の高等教育機関における障害学生「情報コミュニケーション」支援システムの構築
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21330143
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Research Institution | Shizuoka University of Welfare |
Principal Investigator |
太田 晴康 静岡福祉大学, 教授 (80387539)
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Keywords | 社会福祉関係 / 障害学生支援 / 情報コミュニケーション / 中国 / 支援技術 / アプリケーションソフトウェア / オープンソース |
Research Abstract |
本年度の研究成果としては、中国の障害学生と日本の障害学生との意見交換及びソフトウェアのバージョンアップの実現、そして台湾体育学院との意見交換を実施した。具体的には以下の通り。 1.長春大学特殊教育学院(中国吉林省長春市)の関係者を招聘するとともに本年度の研究事業として計画した障害学生のネットワーキングの一環としての意見交換を実施した。日本側の参加者は本学の障害学生4人、早稲田大学の支援ボランティア学生7名、支援室スタッフ1名であり、今後の方向性を確認した。 2.ソフトウェア「Machan(まあちゃん)」の支援活用マニュアルのベータ版を完成した。 3.ソフトウェア「Machan(まあちゃん)」の以下の機能を充実させるところのバージョンアップを実現した。 (1)iPad,iPhoneへの字幕表示を可能とした。 (2)図形画像(jpeg)の送信を可能とした。 (3)ユニコード化し、ウィンドウズがカバーする全ての言語表示を可能とした。 (4)事前に準備したテキストを送信するためのメモ送信機能を付与した。 上記の新機能が安定的に作動することを目的とする運用実験を通じて、ほぼ安定性を確認した。 4.ソフトのダウンロード、アップロードを可能とするサイトは前年度に開設したが、従来のパスカル版に加え、新バージョンのユニコード版を置き、誰もがダウンロード可能な環境を整備した。 5.長春大学特殊教育学院にとどまらず、台北体育学院の韓福栄教授を通じて、同学院の研究者と障害学生支援に関する意見交換を実施した。また、同学院は教職課程を併設する。そこで同課程で学ぶ教員志望の学生を対象に、我が国の障害学生支援の現状、本学の支援策ならびにIT技術を活用することの有効性と課題について、研究者の立場から講演を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.社会情勢の変化、自然災害の影響はあり、当初計画を変更せざるを得なかったものの、予算に関して繰越が認められたため、研究計画の遅延を生じさせないよう尽力し、結果としておおむね達成した。 2.我が国の障害学生にとどまらず、ソフトウェアのバージョンアップに関し、健常学生の協力を得ることができ、かつネットワーキングを形成できたことは当初の計画以上の進展であった。
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Strategy for Future Research Activity |
国境を越えた研究という性格上、種々の理由により、研究計画を変更せざるを得ないことも事実である。しかるに、科学的研究という中立的な立場かつ普遍的な意義に鑑み、研究代表者としては、可能な限り、当初の目的を達成すべく尽力したいと考える。
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