2009 Fiscal Year Annual Research Report
発達障害児の認知・脳機能の解明と教育・医療連携支援システムの開発
Project/Area Number |
21330151
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
三橋 美典 福井大学, 教育地域科学部, 教授 (20157556)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊谷 高幸 福井大学, 教育地域科学部, 教授 (10115298)
松本 健一 福井大学, 教育地域科学部, 教授 (10157282)
中井 昭夫 福井大学, 医学部, 助教 (50240784)
川谷 正男 福井大学, 医学部附属病院, 助教 (10362047)
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Keywords | 発達障害 / 高機能広汎性発達障害 / LD・ADHD / 神経心理検査 / 脳機能イメージング / 脳波・事象関連電位 / 教育・医療連携 |
Research Abstract |
本研究の目的の一つは、発達障害の原因となる認知・脳機構の解明と、それに基づく新たな診断観点の提供にあり、脳科学・神経心理学的な実験・検査手法が不可欠である。しかし、平成21年10月に脳機能を計測する機器が相次いで故障し、補修や新規システム購入で対応したが、成果発表も含めて3ケ月の遅延が生じた。このため、60万円を次年度に繰り越し、平成22年3月から6月にかけて以下の点について検討を行い、当初の研究計画を完了することが出来た。 (1)読解力や科学的リテラシー等のPISA型学力と学習時の注意集中力に関連した学習課題を作成し、21年度に予備診断を行った発達障害児を対象に、NIRS(光トポグラフィ)および脳波・事象関連電位を同時計測する実験・検査を実施した。その結果、既存の障害類型からは一貫した結果が得られなかったが、認知検査等からみた個人特性との間に関連性が示唆され、脳電位や脳機能イメージングによる神経心理学手法の有効性が示唆された。 (2)21年度に作成した国際的診断尺度の日本語版について、さらに試行的な実施例数を重ね、尺度の妥当性・信頼性を検証して、新たな診断類型や診断基準の第一次試案を策定した。 (3)21年度に明らかにした家族発症性、とくに兄弟事例が高頻度に見られたことをふまえ、兄弟支援(シブショップ)プログラムを作成して数例に対して試行的に実施した結果、心理的内面を表出する面で有効であることが示唆された。
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Research Products
(6 results)