2012 Fiscal Year Annual Research Report
教育支援センター(適応指導教室)における不登校児への支援プログラムの開発
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21330160
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Research Institution | Tokyo Kasei University |
Principal Investigator |
相馬 誠一 東京家政大学, 人文学部, 教授 (20299861)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 臨床心理学 / 学校臨床心理学 / 不登校 / 適応指導教室 / 教育支援センター / 支援プログラム |
Research Abstract |
所在が確認できた全国1,183カ所の教育支援センター(適応指導教室)に在籍している児童生徒の現状と課題について調査をした。295ヶ所(回収率24.9%)から回答を得て、適応指導教室のスタッフが調査可能と判断した不登校児童生徒802名を対象とした。 主な結果として、適応指導教室に通級している児童生徒のうち、小学生から中学にかけて学年が進むにつれて抑うつ感(DSRS-C 日本語版)が高く、とりわけ女子に高い値を示した(平均抑うつ感 小学5年男子9.13女子13.38、小学6年男子11.40女子14.05、中学1年 男子10.93女子15.36、中学2年男子13.37女子16.07、中学3年男子14.09女子15.66)。また、ニーズにおいては、学習を手助けしてくれるところ(45.1%)や進路に関する相談を受けられるところ(35.7%)が高かった。不登校児童生徒802名のニーズとして、①適応指導教室での友人関係、②スタッフとの関係、③設備面の要望、④活動内容の要望、⑤体制・環境面への要望に分類し考察した。 不登校生徒対応の公立中学校の京都市立洛風中学校、不登校児童生徒対応の体験活動の場としての兵庫県立但馬やまびこの郷を視察し、実践に役立つカリキュラムを収集した。本研究の一部は、日本臨床心理学会、日本カウンセリング学会、日本生徒指導学会等で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
この間、教育支援センター(適応指導教室)に勤務している職員のデータから適応指導教室の現状と課題を明らかにし、現状と課題と研究協力者から得られた効果的な実践についてまとめて全国各地の適応指導居室約1,200カ所に送付した。 さらに、今回は通級している児童生徒802名のデータを回収し、当事者の児童生徒のデータから、通級している不登校児童生徒の現状と課題について明らかにした。とりわけ、学年が上がるにつれて抑うつ感が高くなり、抑うつ感の対応が大きな課題としてあげられよう。今後、これらの調査結果を詳細に分析考察し、より効果的な不登校指導生徒への支援プログラム開発をさらに進めていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の最終年度であり、この間の調査結果を詳細に分析考察し、より効果的な不登校指導生徒への支援について、実践検証を踏まえて不登校児童生徒支援へのプログラム開発をさらに進めていきたい。 その上で、調査のまとめと不登校児童生徒支援へのプログラム開発について、報告書として今年度中に全国1,200ヶ所の教育支援センター(適応指導教室)に配布し、教育支援センター(適応指導教室)での実践に役立つように紹介していきたい。
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Research Products
(7 results)