2009 Fiscal Year Annual Research Report
「伝承・習い事」文化における継承と生涯学習の現代的課題に関する日中韓比較研究
Project/Area Number |
21330178
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
渡邊 洋子 Kyoto University, 教育学研究科, 准教授 (70222411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相庭 和彦 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (00222464)
芳澤 拓也 沖縄県立芸術大学, 美術工芸学部, 准教授 (10389950)
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Keywords | 生涯学習 / 伝承文化 / 文化的グローバリゼーション / 文化伝承活動 / 東アジア比較文化 |
Research Abstract |
本研究は、主に日本・中国・韓国という東アジア諸社会における「伝承」文化と「習い事」文化に着目し、その継承のあり方(伝承/伝授/伝達、および習得/学習の様式)に通底する基本原理と諸要素を抽出すると同時に、グローバリゼーションの下での人々の生活と生涯学習の諸課題に、文化の存続・変容をめぐるダイナミズムがいかに結びついているか、その現状と可能性を比較考察するものである。当該年度は、日本の3地域(京都、沖縄、新潟)における伝承文化の継承基盤と諸要素の明確化に向けた調査を、関連諸要因(ローカル・アイデンティティ、後継者養成、地域活性化、観光など)に注目しつつ、継続した。沖縄の南風原文化センターでは、大城和喜館長とのさらなる意見交換を行い、京都では、祇園祭や学生文化祭典などの文化伝承活動の実際について現状調査を進めており、新潟では佐渡の伝承文化活動を引き続き、実態調査中である。また日本・中国・韓国における「伝承」「習い事」文化の比較検討に向けた検討作業を行い、2009年9月、2010年3月に各2回、中国、韓国の研究者を訪問し、意見交換と研究協議を行った。韓国では、梨花女子大学平生教育院長の郭サングン教授、国立公州大学の梁病炳賛教授、金賢貞韓国学術振興会研究員らと意見交換および研究協議を行った。特に公州では、農村における異世代間交流と伝統文化の伝承・継承活動の拠点となっている忠南教育研究所を訪問・見学し、ヒアリングを行った。中国では、北京市連合大学元学長・同大附設北京学研究所所長の張妙弟教授からの北京の伝統文化保存活動に関わる研究指導を二回にわたって受けた。中国の伝統文化に関する張教授の原稿を翻訳し、日本語校閲を加えて活字化した。また北京師範大学教育学院(現教育学部)の石中英教授、高益民副教授との意見交換、学校教員を招いてのセミナーなどを行った。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article]2010
Author(s)
渡邊洋子
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Journal Title
「『生涯学習』概念の成立」『21世紀における日本の教育改革―日中学者の視点 (日本語論文集)』(京都大学大学院教育学研究科教育実践コラボレーション・センター編)(京都大学大学院教育学研究科教育実践コラボレーション・センター)
Pages: 71-76
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[Journal Article]2010
Author(s)
芳澤拓也
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Journal Title
「沖縄の21歳の生活状況と社会関係資本」『「若者の教育とキャリア形成に関する調査」2008年第2回調査結果報告書」(日本教育学会特別課題研究「若者の教育とキャリア形成に関する研究会」)
Pages: 151-166
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[Journal Article]2009
Author(s)
渡邊洋子
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Journal Title
「終身学習概念的形成」『21世紀的日本教育改革―中日学者的視点』(田慧生・田中耕治主編、高峡執行主編)(教育科学出版社 (中華人民共和国))
Pages: 158-165