2011 Fiscal Year Annual Research Report
「伝承・習い事」文化における継承と生涯学習の現代的課題に関する日中韓比較研究
Project/Area Number |
21330178
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
渡邊 洋子 京都大学, 教育学研究科, 准教授 (70222411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相庭 和彦 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (00222464)
芳澤 拓也 沖縄県立芸術大学, 美術工芸学部, 准教授 (10389950)
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Keywords | 生涯学習 / 伝承文化 / 文化的グローバリゼーション / 文化伝承活動 / 東アジア比較文化 |
Research Abstract |
本研究の目的は、日中韓という東アジア諸社会の「伝承」文化と「習い事」文化に着目し、その継承のあり方に共通する基本原理と諸要素を見出し、グローバリゼーション下の人々の生活と生涯学習の諸課題が文化の存続・変容をめぐるダイナミズムとどう関わるのか、現状と可能性を比較考察することであった。先の3年間の国内調査を受け、日中韓の伝統・伝承文化の継承形態の特質や現状、そこでの諸課題を検討するため、中国・韓国の研究・実践者と共同的な調査研究や研究協議を行った。国内調査は、学校調査を踏まえ、(1)3地域における伝承文化の継承基盤と諸要素の明確化(学校と社会教育機関・団体、他の生涯学習機会や人的ネットワークなどの関連構図を含む)、(2)グローバル化の進展に伴い重要性が増してきた諸要因(ローカル・アイデンティティ、後継者養成、地域活性化、観光など)との関連性の考察、(3)(1)と(2)を踏まえた総合的観点からの横断的比較、(4)3府県(特に沖縄)における質的考察への取り組みを行った。国際比較調査は、現地調査(北京市聯合大学附属北京学研究所、韓国忠南教育研究所、同国立民俗博物館など関連施設)と国際研究交流(2010年9月の京都会議-於京都大学、日本社会教育学会研究大会ラウンドテーブル-於神戸大学、2011年10月の日中韓国際シンポジウム-於北京師範大学珠海分校・中国珠海市)の開催・共同企画運営を通し、日中韓比較研究の枠組構築と具体的考察に努めた。これらの成果は2012年3月、最終報告書(本編・別冊1・2)にまとめた。なお珠海シンポジウムは、英語万能の「ファスト・コミュニケーション」に対し、東アジアの教育学・人文社会科学で初の日中韓英の4カ国語による「スロー・コミュニケーション」の試みで、珠海分校学生を含む約100人の参加者が東アジアの異文化相互理解の魅力と難しさを共有し、その「未来」を展望する貴重な機会となった。
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Research Products
(9 results)