2011 Fiscal Year Annual Research Report
短期大学教育と地域ステークホルダーに関する総合的研究
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21330195
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Research Institution | Nagasaki Junior College |
Principal Investigator |
安部 恵美子 長崎短期大学, 保育学科, 教授 (00259714)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 友子 熊本学園大学, 外国語学部, 教授 (30231153)
稲永 由紀 筑波大学, ビジネス科学研究科, 講師 (80315027)
小嶋 栄子 長崎短期大学, 英語科, 教授 (10399256)
藪 敏晴 佐賀女子短期大学, キャリアデザイン学科, 教授 (20280266)
吉本 圭一 九州大学, 人間環境学研究科, 教授 (30249924)
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Keywords | 地域ステークホルダー / 在学生調査 / 卒業時調査 |
Research Abstract |
1.短期大学の学び・生活および進路・接続に関する調査(総合リーダー:安部) 21年度入学生の卒業時調査(H23年1-3月)を集計・分析し、21年度在学時調査(H22年1-3月)と比較・検討した。その結果について「短期大学在学生調査中間報告書」を刊行し、関係者に公開した。調査から、短大生は四年制大学生に較べて、授業に拘束される時間が長いが、授業外学習時間が短く、学習習慣が形成されていない者の割合が高かった。さらに、短大生の学びを規定する要因として、高校時代の勉強時間や短大教員の働きかけが影響していることが分かった。また、1年次よりも卒業時に勉強時間が増加している者の割合が高く、在学中に学びへの意欲が高まった学生は、短期大学の教育に対する評価が、そうではない学生に比較して高いということが分かった。学科分野別の分析からは、教育系学科の学生の在学中の能力の獲得度(自己評価)が他の分野に較べて有意に高く、職業教育に対する満足度や短大教育に対する満足度(総合評価)も高いことが分かった。23年度後半に、同対象者へ卒業後1年経過時の「卒業生調査」を企画、調査項目に関する検討を済ませて、アンケート用紙を作成した。対象者には、3月中に各短期大学を通してアンケート用紙(24年4月1日現在の状況について回答)を郵送し、現在回収中である。 2.短大と地域の連携に関する地域ステークホルダーを対象とした調査(総合リーダー:藪) 今年度は、前年度の聞き取り調査を発展させて、短期大学の地域ステークホルダーである、高等学校教諭・地方行政担当者・地域の民間団体関係者各1名(すべて聞き取り調査対象者)に対する書面調査を依頼、回答を得た。依頼者は、研究代表者等との対話を通じて短期大学教育に対する理解を深めていたので、地域の人材育成に関する短期大学の独自的機能や、地域の短期大学が協同で中堅人材の育成に取り組む必要性に関する貴重な意見を聴取した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の柱の一つである学生調査は、在学時、卒業時、卒業後の3回に渡って計画通り実施し(卒業後は実施中)、多くのサンプルが回収でき、短期大学の学び・生活および進路・接続に関する知見が得られた。もう一つの柱である地域ステークホルダー調査についても、計画通り実施しており、特に短期大学コンソーシアム九州との連携もあり、地域における短期大学の存在意義を再認識できた。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、卒業後の調査について集計分析を行い、先に実施した在学時および卒業時調査結果と比較検討し、短期大学教育の教育改善に結びつけるとともに、卒業後の職業キャリアや市民性の形成と地域との関係、進学・編入等の高等教育セカンドステージへの多様な接続状況の把握など、コミュニティの高等教育としての短期大学の地域人材養成をめぐる課題を解明する。 次に、地域ステークホルダーへのインタビュー調査で得られた知見を基に、短期大学の地域における現在のポジショニングと、学びと仕事循環型・生涯学習社会の形成に資する日本型コミュニティ・カレッジへの可能性と課題を究明する。 これらの結果を最終報告書としてとりまとめを行う。
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Research Products
(4 results)