2011 Fiscal Year Annual Research Report
グラフィクスとカンドル理論の観点からの4次元トポロジーの研究
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21340015
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
鎌田 聖一 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60254380)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
作間 誠 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30178602)
島田 伊知朗 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10235616)
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Keywords | グラフィクス / カンドル / チャート / 結び目 / 曲面結び目 / レフシェツ・ファイバー束 / 4次元トポロジー |
Research Abstract |
前年度より引き続いて種数2のレフシェツ・ファイバー束を、グラフィクス(チャート表示法)を用いて研究する手法について考察を行った。関連研究者との意見交換によって、高い種数のレフシェツ・ファイバー束の研究に対してもチャート表示法が有効となりうることが分かってきた。特に、D.Auroux等により研究されているレフシェツ・ファイバー束の安定化に関する定理に、より明快な別証明や定理の一般化が期待されるが、これについては次年度以降に検討する必要がある。また、前年度より、種数1のブロークン・レフシェツ・ファイバー束のモノドロミーに関する研究行い、ある条件のもとでモノドロミーの分類を行っていたが、完全な形での分類には至っていない。 カンドルの一般化であるバイカンドルについては、曲面結び目のダイアグラムから基本バイカンドルが矛盾無く定義されることを確認した。広島大学の大学院生により、chダイアグラムと呼ばれる結び目ダイアグラムに近い表示法から曲面結び目の基本バイカンドルを得る方法へ繋がった。これは今後、曲面結び目の(バイ)カンドル彩色やコサイクル不変量の研究に役立つと期待される。また、カンドルの2重化を用いて、仮想結び目のバイカンドルによる彩色、ツイスト仮想結び目のバイカンドルによる彩色が可能となる条件を与えることに成功した。これはプレプリントとしてまとめ、平成23年10月に米国イリノイ大学のセミナーで発表及び意見交換を行った。 平成23年5月に京都大学数理解析研究所で低次元トポロジーに関する研究集会「Intelligence of Low Dimensional Topology」を組織委員として開催し、平成23年11月に広島大学で研究集会「4次元トポロジー」を組織委員・世話人として開催して、4次元トポロジーの意見交換を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の目的であるグラフィクスとカンドルを用いたレフシェツ・ファイバー束空間や2次元ブレイドなどの4次元トポロジーの研究は順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
特異2次元ブレイドのモノドロミーのグラフィクス(チャート表示法)の開発も今後研究を加速させて進めたい。また、高い種数のレフシェツ・ファイバー束の研究に対してもチャート表示法が有効となりうることが分かってきたので、こちらも積極的に研究を進める必要がある。
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Research Products
(7 results)