2010 Fiscal Year Annual Research Report
微分方程式のrigidity・延長可能性と大域的構造の解析
Project/Area Number |
21340038
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
原岡 喜重 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (30208665)
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Keywords | 解析学 / 微分方程式 / 大域解析 / rigid局所系 / 完全積分可能系 / モノドロミー / 接続係数 / アクセサリー・パラメーター |
Research Abstract |
Rigidityや延長可能性の視点から,複素領域における微分方程式の大域解析の手法を開拓していくことを研究目的としていた.本年度は,[Workshop on Accessory Parameters」(2010年10月9日~12日,東京大学玉原国際セミナーハウス),「アクセサリー・パラメーター研究会」(2011年3月17日~19日,熊本大学理学部)の2回の研究集会を大島利雄氏と主催し,また少人数の研究打合せも頻繁に行うことで研究を進めた. 本年度得られた研究成果は以下の通りである. 1.齋藤自由因子に特異性を持つ完全積分可能系のモノドロミー表現を組織的に調べ,rigidityあるいはquasi-rigidityを持つことを示した 2.Fuchs型常微分方程式系のアクセサリー・パラメーターの系統的な取り方としてregular coordinateの概念を得た.Regular coordinateを用いると,変形方程式のredcutionが容易に記述できることがわかった. 3.共形場理論のミニマル模型から現れる完全積分可能系について,延長可能性の視点から解析する研究を開始した. 4.Fuchs型常微分方程式に現れる種々の量が,Kac-Moody root系の言葉で簡潔に記述できることを見出した. これらの研究成果により,Fuchs型方程式に関する認識が進み,その大域解析の手法を開発し,さらに代数幾何学・共形場理論・表現論などとの興味深い関わりを見出すことができた.
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Research Products
(23 results)