2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21340065
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
千葉 順成 Tokyo University of Science, 理工学部・物理, 教授 (50126124)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
炭龜 聡之 東京理科大, 理工学部, 助教 (20392003)
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Keywords | 不安定核 / 加速器実験 / ベータ崩壊 / 寿命測定 / 元素合成 / データ収集効率化 / Zr-110 |
Research Abstract |
平成21年度は、おもに、データ収集システムの効率化のための開発研究を行った。さらに、12月には理化学研究所のRIBF加速器を用いて実際に実験を行い、効率化がなされていることを確認するとともに、本研究の主目的である寿命測定のデータを取得することができた。以下に詳しく述べる。 Ge検出器からのデータを不感時間なしで効率的に収集するためにCPUを内蔵したDSPモジュールを本科研費により購入した。そのモジュールを制御し、また、データ収集を行うためのプログラムを開発し、さらにRIBFにおける標準データ収集システムに組み込むためのソフトウェアの開発も行った。また、ベータ崩壊を効率的に測定するために、100MHzのクロックを持つタイムスタンプモジュールを開発し、それを用いたデータ収集システムを構築した。新しいデータ収集システムを用いて、RIBF加速器でウラン238を一次ビームとして不安定核二次ビームを生成させ、その二次ビーム中に含まれるZr-110周辺の不安定核に焦点を絞り、ベータ崩壊の寿命やベータ崩壊後のガンマ線放出、さらには二次ビーム中に少量含まれるアイソマーからのガンマ線を同時に測定した。現在、データ解析を行っている。複数の不安定核について世界で初めてベータ崩壊の寿命が測定できたと考えている。Zr-110周辺の不安定核の寿命は宇宙における元素合成プロセスにとって非常に重要なデータであり、今後の進展が期待できる。また、ガンマ線の測定により、この領域の原子核構造に関する新しい知見が得られており、核の形状等に関しての研究も進展すると考えている。これらの成果について、国内外の研究集会で発表した。
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Research Products
(4 results)