2012 Fiscal Year Annual Research Report
高圧下角度制御核磁気共鳴測定による新奇な量子秩序相の探索
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21340093
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
瀧川 仁 東京大学, 物性研究所, 教授 (10179575)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 核磁気共鳴 / 高圧技術 / 強相関電子系 / 量子スピン系 / 量子相転移 |
Research Abstract |
1.価数搖動を示す化合物YbAlB4における量子臨界性のNMRによる検証:結晶構造の異なるアルファタイプ、ベータタイプの2種類のYbAlB4に対し、50ミリケルビンまでの極低温下におけるNMR測定を行った。ベータタイプは比熱や磁化がゼロ磁場で低温に向かって発散する量子臨界現象が観測されている。NMRの測定には磁場を印可する必要があるが、イジング異方性を持つYbAlB4においては磁場をc軸に垂直に印可することにより、量子臨界性を損なわずにNMR測定が可能であると期待される。しかし、このような条件下で得られたナイトシフト、核磁気緩和率と温度の積は、予想に反していずれも低温で一定値に近づくフェルミ液体的な振る舞いを示した。一方、アルファタイプについては、c軸方向の特定の磁場の値に対して、核磁気緩和率に顕著は量子臨界的な発散が観測された。 2.異方的カゴメ格子スピン系ボルボサイトの単結晶試料に対するNMR測定:これまで我々は、ボルボサイトの粉末試料を用いて強磁場下の相図やスピン構造を調べてきたが、本年度は最近作成された良質の単結晶を用いたNMR測定を行った。その結果150K付近でこれまで知られていなかった構造相転移が存在すること、強磁場下で相IIと相IIIの間に新な磁気相が存在すること、などが明らかになった。 3.ブリージング・パイロクロア構造を持つクロム酸化物:フラストレーションの強い格子系として知られるパイロクロア構造において、四面体の大きさが交互に異なる格子変調が導入されたクロム酸化物(LiACr4O8、AはInまたはGa)が最近合成され、我々はLiサイトのNMR実験を行った。その結果両物質とも、低温では格子変形を伴う反強磁性秩序を示すことが見出された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Journal Article] Tetrahedral Magnetic Order without Spatial Symmetry Breaking in the Pyrochlore Lattice of Cd2Os2O72012
Author(s)
J. Yamaura, K. Ohgushi, H. Ohsumi, T. Hasegawa, I. Yamauchi, K. Sugimoto, S. Takeshita, A. Tokuda, M. Takata, M. Udagawa, M. Takigawa, H. Harima, T. Arima, and Z. Hiroi
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Journal Title
Phys. Rev. Lett.
Volume: 108
Pages: 247205-1-5
DOI
Peer Reviewed
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