2009 Fiscal Year Annual Research Report
自動電離状態における一般化ブライト相互作用効果の研究
Project/Area Number |
21340111
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
中村 信行 The University of Electro-Communications, レーザー新世代研究センター, 准教授 (50361837)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 千樫 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (70037266)
仝 暁民 筑波大学, 数理物質科学研究科, 准教授 (80422210)
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Keywords | 原子・分子 / 多価イオン |
Research Abstract |
本年度はまず、電気通信大学の多価イオン発生装置・電子ビームイオントラップのイオン引出系を改良し、引き出し効率を増加させた。加えて、効率的なイオン引き出しを可能とするような制御システムを製作した。効率の上がった引き出しシステムを用いて、ビスマス多価イオンの2電子性再結合過程の測定をこれまでにない高分解能で行うことに成功した。その結果、放射性再結合と2電子性再結合の干渉により現れる非対称構造を、ベリリウム様ビスマスと電子との衝突において明瞭に観測することができた。その非対称構造を理論的にも説明するため、新たな計算手法を開発し、実験において得られた構造をこれまでにない精度で再現することに成功した。理論と実験の比較により、非対称構造には放射減衰効果と、ブライト相互作用が極めて重要であることが分かった。 また、2光子を同時に放出する再結合過程の2重微分断面積を調べるための、2光子同時計測システムの立ち上げとその試験を行った。水素様クリプトンの2電子性再結合において同時に放出される2つのK-X線の同時観測で試験した結果、信号対雑音比は十分でなかったものの、十分な同時計測率が得られることが分かった。来年度以降、検出器や回路などを適宜改良し時間分解能を向上させることなどにより、信号対雑音比を向上させることで、2重微分測定か十分可能であるとの目処を得た。このような同時計測は過去に例がなく、国内外会議において注目を集めた。
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