2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21350025
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
川島 隆幸 学習院大学, 理学部, 客員教授 (80011766)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
持田 邦夫 学習院大学, 理学部, 教授 (20118722)
狩野 直和 東京大学, 大学院・理学系研究科, 准教授 (00302810)
小林 潤司 国際基督教大学, 教養学部, 准教授 (90334242)
吾郷 友宏 京都大学, 次世代開拓研究ユニット, 特定助教 (90466798)
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Keywords | 合成化学 / 光物性 / 複合材料・物性 / ヘテローπ共役分子 / スピロビシラフルオレン / スピロビホスホニアフルオレン / 二光子吸収 / Horner-Emmons反応 |
Research Abstract |
本研究では、新たなヘテロ・π共役分子群として2次元的、あるいは3次元的にπ共役系が拡張した分子群の構築と新規な光学特性の発現を目指す。本年度は共役系を3次元に拡張したスターバースト型ヘテロ・π共役化合物の合成について検討した。分子周縁部から中心部への電荷移動を起こすために、中心部にアクセプターであるスピロ型ジベンゾシロールまたはスピロ型ホスホニウムを配置し、これにρ-アミノフェニレンビニレン基を導入した、スターバースト型分子を合成した。相当するジブロモビフェニル体から得たジリチオ体を用いた環化により、オリゴ(フェニレンビニレン)ユニットを有するスピロビシラフルオレン誘導体とスピロビホスホニアフルオレン誘導体の合成に成功した。これらの3次元型共役分子は、中心元素や共役系の構造に応じて二光子吸収特性が変化することを見出した。また、フェニレンビニレン基の置換位置の異なるスピロビシラフルオレン誘導体を合成し、光学特性に及ぼす置換位置の効果を明らかにした。また、二光子吸収特性の向上を狙い、フェニレンビニレンユニットをさらに伸長したスピロビホスホニアフルオレンの合成を検討したが、先の合成法では得ることができなかったため、テトラホルミルスピロビホスホニアフルオレンを前駆体とする別途合成法を検討した。この前駆体は、ホルミル基のアセタール保護、脱保護により合成することができた。これに、共役系を伸長させたフェニレンビニレンユニットをHorner・Emmons反応により導入することで、目的化合物の合成を試みる予定である。次に、クロスカップリング反応を利用したスピロビヘテラフルオレンのモジュラー合成法の開発のために、分子周縁部に反応点であるブロモ基を持つスピロビシラフルオレンおよびスピロビホスホニアフルオレンを合成した。
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Research Products
(11 results)