2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21350025
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
川島 隆幸 学習院大学, 理学部, 教授 (80011766)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 潤司 国際基督教大学, 教養学部, 准教授 (90334242)
吾郷 友宏 京都大学, 化学研究所, 助教 (90466798)
狩野 直和 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (00302810)
持田 邦夫 学習院大学, 理学部, 教授 (20118772)
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Keywords | 合成化学 / 光物性 / 複合材料・物性 / ヘテロ-π共役分子 / トリシラスマネン / トリヘテラスマネン / 青色発光特性 / スターバースト型分子 |
Research Abstract |
ヘテロ-π共役化合物は典型元素の元素特性とπ共役系の相互作用に起因して、発光性や電子受容能の向上といった優れた物性を有することから、盛んに研究されている。しかし、既存のヘテロ-π共役化合物の多くは、アセン類のようにπ電子系を一次元的に伸長したものであり、より高次元のπ共役系に典型元素を組み込んだ例は限られていた。本研究では、2次元的あるいは3次元的な構造を有するπ共役系に典型元素を導入した次元拡張型ヘテロ-π共役化合物を創製することで、拡張π共役系と典型元素固有の性質の相乗効果を活用した新規な光・電子物性の発現を目指した。2次元π共役系分子の基本骨格としてトリフェニレンを選定し、分子周縁部にケイ素、スズ、またはリンを配置したディスク状の平面π共役分子であるトリヘテラスマネンの合成に成功した。リンを導入した分子では、リン原子上を硫化してホスフィンスルフィドへの誘導化も行なった。いくつかの化合物についてはX線結晶構造解析を行い、導入した典型元素がトリフェニレン環平面上に位置しており、新たに構築されたヘテロ―π共役系が高い平面性を有していることを明らかにした。トリヘテラスマネンのUV/visスペクトルでは、導入した典型元素に応じて吸収・発光波長が変化しており、典型元素とトリフェニレンπ電子系が効果的に相互作用していることを確認した。トリシラスマネンは良好な青色発光特性を有しており、発光材料として有望であることが分かった。また、3次元的にπ電子系を拡張したヘテロ-π共役分子の中心部にホウ素を導入し、分子周縁部のドナー性置換基とのドナー-アクセプター相互作用の発現を狙ったスターバースト型分子の合成を検討した。現在までに、周縁部にブロモ基を有したスターバースト型分子のコアユニットの合成までを行なった。今後のカップリング反応によってドナー性置換基を導入するための前駆体として期待される。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(21 results)