2009 Fiscal Year Annual Research Report
核酸の高度な高次構造制御を基盤としたオリゴヌクレオチド型人工転写因子の創製
Project/Area Number |
21350094
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小比賀 聡 Osaka University, 薬学研究科, 教授 (80243252)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兒玉 哲也 大阪大学, 薬学研究科, 助教 (00432443)
|
Keywords | 核酸 / 遺伝子 / 分子認識 / 発現制御 / 有機化学 |
Research Abstract |
DNAを配列特異的に認識する人工核酸を基盤とした各種コンジュゲートにより、二重鎖、三重鎖、四重鎖核酸といった核酸の高次構造を高度に制御し、生きた細胞内での遺伝子発現の強制的促進をも含めた真の遺伝子発現制御法の開発を目指し、研究初年度であるH21年度は以下の内容を検討した。 まず、ヒト細胞のガン化に関連する3つの遺伝子を中心に標的遺伝子を選定し、各遺伝子の転写活性化領域にあるグアニン四重鎖を形成する可能性のある配列および三重鎖核酸の形成が可能なポリピリミジン、ポリプリン配列を抽出するとともに、各標的DNAを配列特異的に認識するBNAオリゴヌクレオチドを各2種類ずつ設計した。また、設計したBNAオリゴヌクレオチドのコンジュゲート化用リンカー分子としてオリゴエチレングリコールリンカーを10グラム程度、グアニン四重鎖構造安定化小分子としてアクリジン誘導体を200ミリグラム程度合成する事に成功した。さらに、ペプチドコンジュゲート合成のためのアジド化BNAオリゴヌクレオチドの合成にも成功した。 一方、グアニン四重鎖を形成し得る配列を標的としたグアニン高含有BNAオリゴヌクレオチドを用いることによるガン関連遺伝子の発現制御を検討中、予期せず標的遺伝子とは異なるハウスキーピング遺伝子がBNAオリゴヌクレオチド濃度依存的に抑制される現象を見いだした。そのため、当初計画していた非侵襲的遺伝子発現制御評価系の構築に先んじて、詳細な配列情報や発現量の比較検討が容易なPCR法による評価系を構築し、今回得られた結果を詳細に解析した。
|
Research Products
(2 results)