2009 Fiscal Year Annual Research Report
金属―有機半導体界面の物理的・化学的制御による有機デバイス特性向上に関する研究
Project/Area Number |
21360005
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
斉木 幸一朗 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (70143394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤川 安仁 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (70312642)
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Keywords | 有機トランジスタ / ペンタセン / カーボンナノウォール / 界面準位 / グラフォエピタキシー / セキシチオフェン / 原子間力顕微鏡 / SiO_2表面 |
Research Abstract |
今年度は金属-半導体界面の制御の中で特に物理的制御に重点を置き,グラフォエピタキシーの高度化に関する研究を推進した.SiO_2表面に作製した周期溝上のセキシチオフェンのグラフォエピタキシー成長機構の詳細を解明するため,従来の溝周期を400nmから100nmまで減少させて成長形態を原子間力顕微鏡で観察した結果,溝周期の減少にともなって配向性が向上することが確認された.さらに結晶成長を支配する初期核形成過程を調べた.形成されるセキシチオフェンのドメインの形には,ファセットに囲まれたfacetted grain (FG),溝方向に伸長するelongated grain (EG),溝を埋めて幅の広がらないgroove filling grain (GFG)の3種類存在することを見出した.FG,EGはともにGFGの上に成長するが,同一のGFG上に存在するEG,FGの結晶方位は揃っている.このことは,GFGが単一ドメインであることを示唆している.溝の間隔を溝幅と同じ100nmから,10μmまで変化させて,上記のEG,FGドメインの密度および長さを調べた.その結果,EG,FGの密度の溝間隔依存性は2μm近傍で変化する.この長さはSiO_2上のセキシチオフェンの拡散長にほぼ相当すると考えられる.有機トランジスタのチャネル層を単一ドメインのセキシチオフェン層で形成するには上記のうちEGドメインの利用が好ましいが,EGドメインの平均長さは溝間隔の減少とともに長くなる.しかしながら,2μmよりも短い溝幅に対しては逆に溝間隔の減少とともに短くなる.これは隣り合う溝同士での分子の取り合いによるものと考えられる.
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Research Products
(15 results)