2010 Fiscal Year Annual Research Report
圧縮及び非圧縮流体乱流における異常輸送の大規模数値計算による解明
Project/Area Number |
21360082
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
後藤 俊幸 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (70162154)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 威 名古屋工業大学, 工学研究科, 准教授 (30345946)
中野 徹 中央大学, 理工学部, 教授 (50055224)
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Keywords | ペタスケール計算機 / 3次元FFT / 非圧縮乱流スカラー輸送 / d次元乱流 / 圧縮性乱流 / 結合コンパクトスキーム |
Research Abstract |
1.次世代ペタスケール計算機を念頭において、昨年度に引き続きスペクトル法の改良を行った。3次元FFTを空間1次元分割から2次元分割用に変更し改良した。同時に、非圧縮乱流スカラー輸送ソルバーも改良し、効率を以前のものより約3割高速化した。この新しいソルバーを用いて、世界最大の格子点数4096^3で試験計算を行った。また、格子点数2048^3でスカラー場の間欠性による異常スケーリング指数の解析を行った。 2.d次元乱流のエネルギースペクトル、ストレインテンソルの固有値や2種類のエネルギー散逸率の確率密度関数、圧力および圧力勾配の分散について、空間次元(d)の影響を直接数値計算によりd=3,4,5について解析した。一般に圧力や全エネルギー散逸率の統計は、空間次元が増大することにより速度場が正規分布の時に得られる統計に近づくことが分かった。上記1,2の内容はイスラエルでの2つの国際会議で報告され、多くの関心を集めた。 3.圧縮性乱流やスカラー輸送方程式は空間的に局所的であることを利用して、並列計算機用の結合コンパクトスキーム開発と、乱流スカラー輸送についての速度場にはスペクトル法、スカラー場には結合コンパクトスキームを用いるハイブリッドソルバーを開発し、その性能評価を行った。シュミット数が大きい場合には、完全なスペクトル法よりも格段の高速化が計られることが分かった。 4.ドイツ、イルメナウ大学のSchumacher教授の研究室を訪れ、乱流スカラー輸送の問題や新高速計算手法について議論を行った。また、NASA Langley研究所のRubinstein博士が当研究室を訪れ、乱流統計理論構築のための大規模計算の方向性について議論した。また、マックスプランク研究所のBodenshatz教授には、ゲッチンゲン流体力学研究所での最近の研究について解説をしてもらい、今後の研究の方向性について議論した。
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