2011 Fiscal Year Annual Research Report
圧縮及び非圧縮流体乱流における異常輸送の大規模数値計算による解明
Project/Area Number |
21360082
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
後藤 俊幸 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (70162154)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 威 名古屋工業大学, 工学研究科, 准教授 (30345946)
中野 徹 中央大学, 理工学部, 教授 (50055224)
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Keywords | 圧縮性乱流 / 非圧縮性乱流 / スカラー輸送 / 結合コンパクト差分 / ハイブリッドコード / シュミット数 / 3次元FFT |
Research Abstract |
1.ペタスケールマシンを念頭に置き、乱流およびスカラー輸送解析のための直接数値計算プログラムを昨年度に引き続いて開発を進めた。非圧縮乱流場には2次元空間分割による高精度高効率の3次元FFTを用い、スカラーソルバーには3次元空間分割による結合コンパクト差分を用いたハイブリッドコードを作成レベンチマークテストを行った。空間精度はスペクトル法と同等であるにもかかわらず、シュミット数が0(1)の時には25%の高速化を達成した。シュミット数が50以上の時には、速度場の格子点数を減ずることが理論的に可能になるため、この特性を利用したプログラムを新たに開発して、シュミット数1000までの計算を格子点数2048^3で行い、スペクトル法に比べて約4倍という驚異的な高速化を達成した。本成果は、ペタスケール計算機を用いた直接数値計算による乱流輸送現象解明に強力な手法を提供するものである。 2.上の手法をさらに非圧縮乱流コードに拡張し、圧力のポアッソン方程式のみをスペクトル法で解き、それ以外の速度場の空間微分はすべて結合コンパクト差分で計算する手法を考案し、試験的な計算を行った。その結果、空間精度はスペクトル法とほぼ同等で計算時間はスペクトル法と比べて約25%の高速化を達成することが分かった。 3.圧縮性乱流コードを上記の結合コンパクト差分スキームを用いて開発し、低マッハ数の減衰乱流について直接数値計算を行った。圧縮性の目安であるdiv uの2次モーメントや確率密度関数を解析した結果、マッハ数が0.05以下では流れはほぼ非圧縮乱流として扱えるということが分かった。 4.NASA Langley研究所のRubinstein博士、イルメナウ大学のSchumacher教授、テルアビブ大のFouxon教授らを招聘し、乱流統計理論による乱流モデリング、乱流熱および粒子輸送の大規模並列計算による解析、乱流スカラー輸送理論についてそれぞれ意見交換を行った。また、先の2名については本研究の成果について説明し、好評をいただいた。今後の共同研究についても具体的な点にまで踏み込んだ意見交換を行なった。
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