2011 Fiscal Year Annual Research Report
脳波(EEG)と機能的電気刺激(FES)による運動機能再建手法の開発
Project/Area Number |
21360201
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
伊藤 宏司 立命館大学, 総合理工学研究機構, 教授 (30023310)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 敏之 東京農工大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (60323820)
永井 清 立命館大学, 理工学部, 教授 (40198289)
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Keywords | 電気刺激 / 脳波 / 脳・神経 / リハビリテーション / 医療・福祉 |
Research Abstract |
本研究は,脳卒中リハビリテーションを運動学習の視点からとらえ,脳波(EEG)から得られる運動意図をもとに機能的電気刺激(FES)により筋を収縮させ,その結果生じる感覚フィードバックを脳に戻すことによって学習を促進させる運動機能再建手法を開発することを目的としている. 最終年度になる本年度は,脳卒中(脳梗塞,脳内出血等)により運動野に損傷を受けた運動機能麻痺患者を対象として,提案手法の検証実験を計画した.しかしながら,当初危惧したとおり適切な患者を半年間で見つけることができなかった.このため,運動意図の判別に用いている脳波の事象関連脱同期(ERD)の発現機序をより詳細に調べ,提案再建手法の改善に資することとした. 事象関連脱同期(ERD)の発現には個人差があり,随意的に発現できるようになるには数ヶ月のトレーニングを要する場合もある.リハビリテーション現場では,一日あたりの時間に制度上の制限があり,前段階のトレーニングに長時間を費やす手法は普及しにくい. 機能的電気刺激(FES)による体性感覚フィードバックに加えて,視覚・聴覚等の他の感覚情報を適切に統合することによって一人称的な運動イメージ(身体スキーマ)を抱きやすくする手法を実験的に解析した.その結果,特に事象関連脱同期(ERD)の発現が視覚情報に強く影響されることを見いだした.このことは,反復運動の様子を受動的に観察させながら,それに合わせて機能的電気刺激(FES)等で体性感覚フィードバックを与え,運動イメージ・プランと同期させる手法が運動機能再建手法として有効である可能性を示唆している.
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