2011 Fiscal Year Annual Research Report
既設鋼リベット橋の耐荷・耐震・耐久性能評価とその長寿命化技術の開発
Project/Area Number |
21360218
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
山口 隆司 大阪市立大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (50283643)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉浦 邦征 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70216307)
北原 武嗣 関東学院大学, 工学部, 教授 (00331992)
鈴木 康夫 宇都宮大学, 大学院・工学研究科, 助教 (50431698)
橋本 国太郎 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教 (40467452)
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Keywords | リベット継手 / 腐食 / 集成部材 / 曲げ耐荷力 / 一面せん断継手 / 二面せん断継手 |
Research Abstract |
本年度は,腐食によるリベットのゆるみが継手の疲労強度に与える影響の解明を最重点課題として取り組むとともに,腐食したリベット部材の長寿命化技術の開発,耐震性能向上デバイス(S字ダンパー)の効果検証について研究を行った.リベットのゆるみが疲労強度に与える影響に関しては,リベットの頭部損傷とリベットに導入される軸力の関係について実験および数値解析を行い,頭部高さが4分の1になった場合でも軸力減少量が30%にとどまるなど,その関係を定量的に明らかにした.特に,既設リベットでは,腐食損傷度とリベットに導入される軸力の関係を定量的に把握することが困難であることから,リベット継手を新たに製作し,新規リベットを対象に研究を展開した点が特色であり,得られたデータは有用かつ貴重である.さらにこの新規リベットを用いた供試体を使って疲労試験を行い,リベット頭部の腐食損傷度と疲労強度の関係を実験的に明かにした.その結果,頭部損傷によって疲労寿命が短くなるがその差はわずかであることを示した.次に腐食損傷したリベットを高力ボルトに置き換える補修方法,およびそれを一時的に補う万力デバイスによる補修方法について検討を行い,その有用性を明かにした.さらに,耐震性向上デバイスとして,提案しているS字ダンパーをトラス格点部に適用した場合の地震時応答を数値解析により明かにし,S字ダンパーの要求性能および適用可能部位を示した.最後に一連の研究成果のまとめとして,リベットの頭部腐食損傷が継手の力学的挙動に与える影響について,腐食損傷が軸部にまで至らない条件の下では,最大耐力に与える影響はほとんどなく,継手剛性や疲労強度に与える影響もわずかであると結論づけた.また,一連のリベットの腐食損傷度の調査から,頭部腐食損傷がほとんどであり,軸部にまで腐食損傷が至っている事例は非常に珍しいことも確認した.
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Research Products
(4 results)