2012 Fiscal Year Annual Research Report
地球温暖化に伴う河口感潮域の水理・地形環境の変化と適応策に関する研究
Project/Area Number |
21360230
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田中 仁 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30171755)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真野 明 東北大学, 災害科学国際研究所, 教授 (50111258)
風間 聡 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50272018)
梅田 信 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10447138)
佐々木 幹夫 八戸工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30118195)
長林 久夫 日本大学, 工学部, 教授 (70102431)
細山田 得三 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (70262475)
伊福 誠 愛媛大学, 理工学研究科, 教授 (20108400)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 河口 / 地球温暖化 / 海面上昇 / 塩分遡上 / 河口地形 / 地下水 / 平衡断面 / 侵食 |
Research Abstract |
十三湖は,国内でも有数のヤマトシジミの漁場として知られており,水産業は地域の主要な産業の一つである.今後の海面上昇はこのような汽水環境にも影響を及ぼす.ただし,ヤマトシジミの漁獲量に関しては,漁獲状況や養殖・放流といった漁業方法の影響も大きいため,一概に議論することが難しい.従って,この点を実測データや数値シミュレーション等に基づいて定量的に論じていく必要がある.また,将来的な河川・湖沼管理の方針を検討する際には,気候変動等の時間的に変化する外部環境要因を考慮した予測に基づいた議論も必要になろうと考えられる.このようなことから,本研究では,1950年代頃までの十三湖の地形的,水文的な環境について検討した.その上で,ヤマトシジミの生息に大きく関与すると考えられる湖内の塩分環境について,流動数値シミュレーションを行った.その結果,以下の結果が得られた.(1)十三湖は,この約100年間で上流域の干拓等地形の人為改変があったものの,堆砂を含めた湖水容量の変化は非常に小さい.(2)干拓は,岩木川からの流入条件等上流部の地形を大きく変えたが,湖内の塩分環境に対する影響は小さかった.ただし,干拓による湖岸線の単調化や干潟面積の減少などが,湖内生態系への影響を及ぼした可能性については引き続き検討が必要である.(3)1950年代の岩木川流量の条件を用いて湖内塩分の計算を行った.低水時の流況が,現在(2000年代)と大きく異なっていたため,現在よりも常時の塩分がかなり高いことが推定された.この流況変化は,気候的な変化による降水の変化およびダムの建設等による流量の変化によるものと考えられる.(4)したがって,岩木川上流のダム群や灌漑用水を含めた流域内の水運用を適切に行い,夏季の渇水を防ぐことができれば,十三湖内の高塩分によるヤマトシジミの斃死を防止できる可能性があると考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(13 results)