2010 Fiscal Year Annual Research Report
レーダネットワークによる漂砂系内土砂フラックスの高分解能推定
Project/Area Number |
21360231
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
武若 聡 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 准教授 (80202167)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗山 善昭 独立行政法人港湾空港技術研究所, 海洋・水工部, 部長 (60344313)
中山 哲厳 独立行政法人水産総合研究センター, 水産工学研究所・水産土木工学部・水産基盤グループ, グループ長 (40372065)
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Keywords | リモートセンシング / Xバンドレーダ / 漂砂系 / 海岸地形 / 汀線形状 / 沿岸漂砂 / ヘッドランド / 河口フロント |
Research Abstract |
前年度にレーダネットワークの構築を行い,延長約17kmの鹿島灘南部の沿岸をレーダ4機で観測する体制を整えた.鹿島灘南部海岸の北端のステーション(R-0)から4km(R-1),10km(R-2),14km(R-3)の位置にレーダを設置し,2009年10月より2011年3月末の時点でデータを連続取得している.R-1は観測桟橋HORSにあり,ここでは海浜断面の測量を行っている.各ステーションは有線,無線回線で結ばれており,観測データを毎時間サーバに送信し観測状況を確認している.観測は毎正時に開始し,平均画像を蓄積している.平均画像には,汀線位置,砕波位置,河口フロントなどが映っている. これまでに,ヘッドランドの設置されている領域(R3,R4)と自然状態に近い領域(R-1)の地形変化を比較し,北方から入射する冬季の波浪により,南向きの沿岸漂砂が発生し,ヘッドランド周りの地形変化が顕著であることを確認した.また,各観測地点の汀線変動の相関を調べ,特徴的な空間構造があることを明らかにした. 利根川河口付近の状況を捉えているレーダ(R-4)は河口フロントが発生する状況を捉えている.観測画像を平均化すると河口から沖合に延びる筋状のパターンが現れる.河口付近で塩分,濁度の観測を行い,フロントを境にこれらの観測値が不連続に変化することを捉えた.フロントの観測域における沿岸方向伝播を捉え,これが沿岸方向の風成分に依存することを明らかにした. 以上の地形,河口フロントなどの視点を中心に観測を継続し,データを蓄積し,漂砂系内の土砂移動の実態,土砂フラックスの分布を推定することが最終年度の目標となる.
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Research Products
(3 results)