2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21360390
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Research Institution | Fukuoka Women's University |
Principal Investigator |
草壁 克己 福岡女子大学, 人間環境学部, 教授 (30153274)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 宜弘 福岡女子大学, 人間環境学部, 教授 (30211030)
吉村 利夫 福岡女子大学, 人間環境学研究科, 教授 (20347686)
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Keywords | トリグリセリド / エステル交換反応 / メタノール / 脂肪酸メチルエステル / 酸化カルシウム / 水酸化カリウム / グリセロール / 3相反応器 |
Research Abstract |
トリグリセリドのメタノールによるエステル交換反応における液液2相界面の反応挙動を明らかにするために懸滴法を用いた。懸滴法はメタノール溶液中に、毛細管から油滴を押し出し、その形状から界面張力を決定する方法である。本研究では廃油のエステル交換反応で、不純物あるいは生成物が界面活性を示すかを懸滴法で確認した。ヒマワリ油に廃油中の不純物としてオレイン酸、生成物として1-オレイルグリセロール、オレイン酸メチルおよびグリセロールを0-4wt%加えて界面張力を測定したが、これらのどの化合物もメタノール-油界面では界面活性を示さないことを明らかにした。そこで、次に、ヒマワリ油-メタノール-オレイン酸メチルの相図を作成し、2相分離したオレイン酸メチル濃度の異なる3種の油相とメタノールとの界面張力を測定したところ、界面張力は脂肪酸メチル濃度の増加と共に減少することから、バイオディーゼルの合成反応時には反応の進行と共に界面近傍の脂肪酸メチルエステル濃度が増大することで、界面張力が低下することを明らかにした。 次に均相触媒であるKOHに比べて、反応後の分離精製で利点のある固体CaO触媒を利用するために、CaO触媒を充填した反応器を高温にした状態で、メタノールを下から供給し、気化してCaO触媒を通過する条件で、ヒマワリ油を上部から滴下して反応を進めた。そのため、この反応器は向流気液固3相反応器となる。廃油を原料として用いる場合に問題となる水分の影響を調べた結果、ヒマワリ油中に水を加えても触媒層を通過する以前に蒸発するために影響はなく、また、水を含むメタノールを供給した場合には、CaO触媒が活性化して脂肪酸メチルエステル収率が向上することを明らかにした。さらにこれらの実験を4回繰り返したが、収率が低下せず。触媒の劣化がないことがわかった。
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