2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21360429
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
武田 実 Kobe University, 海事科学研究科, 教授 (50206992)
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Keywords | 海洋工学 / 超伝導応用 / 水素発生 / MHD / 再生可能エネルギー |
Research Abstract |
海流MHD(電磁流体力学)水素発生法は、海流の持つ運動エネルギーを電気エネルギーへ直接変換し、これにより水素ガスを発生するユニークな手法である。本研究では、これまでの基礎研究に基づいて、ヘリカル型海流MHD水素発生法の開発を目的とし、以下の成果を得た。 1.海流MHD水素発生器の流体損失/圧力分布 発生起電力の向上には、流体損失を低減して海水流速を増加させることが重要である。そこで、流体損失に及ぼす水素発生器形状の影響を調べるために、回転数、ピッチ長、電極直径の異なる実験装置を製作し、詳細に圧力分布を計測した。計測結果に基づいて、流体損失の計算モデルを構築するとともに流動特性に対する水素発生器形状の効果を明らかにした。 2.海流MHD水素発生器内部の流速分布 水素発生器内部の流速分布等を詳しく調べ、異常なヘリカル流れの原因を解明するとともに流体損失の計算モデルに関する知見を得るために、その計測方法について検討した。その結果、PIV計測に先んじて5孔ピトーヨーメーターを用いて3次元計測を行うこととし、計測装置の設計及び作製を行った。 3.水素ガス採集のための超伝導MHD分離実験 水素発生器より発生する水素ガスは、海水に伴って移動するため、有効な採集方法等を確立しなければならかい。そこで、水素ガスを模擬した高分子微粒子を対象として、我々が考案した電極分割方式の超伝導MHD分離法による採集実験を試みた。採集率の実験値は計算値より小さく、実験装置の改良が必要となった。 その他、3.とは異なる新規な水素ガスの採集方法として、電極を通じて水素ガスを吸蔵・採集する方法を検討するとともに、水素発生器用高温超伝導マグネットに関する最新の研究開発状況を調査した。
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