2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21360430
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小林 英一 神戸大学, 海事科学研究科, 教授 (90346289)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
越村 俊一 東北大学, 工学研究科, 准教授 (50360847)
田原 裕介 海上技術安全研究所, CFD研究グループ, 上席研究員 (10264805)
木村 安宏 大島商船高等専門学校, 商船学科, 講師 (10465916)
|
Keywords | 船舶工学 / 減災 / 津波 / 流体工学 / CFD |
Research Abstract |
・本年度研究成果の具体的内容 (1)全体システム構築 平成22年度で実施したVLCC模型についての、浅水域での大角度を含む斜航試験、浅水域での船舶運動性能に関する実験結果とCFDによるこの実験対応の計算結果の比較検討・評価を行った。またCFDを活用して導出する操縦流体力の計算については、高性能のワークステーションを使用した高効率化についての検討と評価を行った。また、今までの実施した研究全体についてのとりまとめを行い、今後の指針をまとめた。 (2)津波計算コードの精緻化 平成22年度での計算コード整備に関する検討結果や広範な水槽試験結果に基づき、船舶の運動計算コードとの連成化をより効果的、合理的に行うための計算コードそのものやネスティングを含めた計算格子構成などについて、実務的な運用に適応できる手法の提示と計算を行った。あわせて、様々な境界条件についての適用性の限界や留意点など運用上の指針についての検討も行った。 (3)船体運動のCFD高度化 平成22年度の検討結果をベースに、超浅水域、狭水域での計算精度の向上、および回頭運動状態での取り扱いに対する検討を加え、津波計算手法との効果的な連携手法の改善を行った。特に、安定して計算が実施できる条件、計算速度などにも留意し、CFD計算手法の精度向上に向けた指針をまとめ、計算の高度化・高速化を試行し実用的・実務的なCFD操縦流体力計算手法整備を行った。 ・意義、重要性等 本研究では津波を受けた状態での港湾奥内の船舶の動的挙動をCFDで解析・評価する「津波・船舶連携CFD解析システム」を作成し、津波来襲時の船舶の係留状態、離接岸状態など、従来の手法では適切に評価することが難しかった状況について、一定の解析手法を提案することが出来た。また今後の指針として、評価のためにはどこまでの計算精度が必要か、などの新たな課題を解決することでより適切なCFD解析システムへ改善することが可能である。これにより、津波来襲時の船舶・港湾被災の減災・防災への指標作成へ役立てることが出来る。
|
Research Products
(9 results)