2010 Fiscal Year Annual Research Report
船舶性能予測シミュレーションにおける実海域再現技術
| Project/Area Number |
21360439
|
|---|
| Research Institution | National Maritime Research Institute |
|---|
Principal Investigator |
日野 孝則 独立行政法人海上技術安全研究所, 流体設計系, センター長 (60373429)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 寛 独立行政法人海上技術安全研究所, 流体設計系, 主任研究員 (20361503)
|
|---|
| Keywords | 船舶流体力学 / CFD / 波浪モデル |
|---|
| Research Abstract |
本研究の目的は、実海域における船舶の性能予測シミュレーションのために、与えられた海象条件に相当する不規則波を数値的に発生させる手法を開発することである。不規則波は、与えられた周波数スペクトルと方向スペクトルを元にして、異なる周波数の規則波を重ね合わせることで発生させる。CFD手法においては、計算領域における境界条件として、波高及び速度、圧力を与えることになる。計算された波場に対して統計処理を行うことにより、発生した波の特性を求め、モデルの妥当性を検証する。さらに、不規則波中における船舶性能評価のために、船体まわりに生成した計算格子と波浪場の計算格子をオーバーラップさせて扱う重合格子法を用いて船舶の不規則波中航行シミュレーションを行う。
今年度は前年度に開発した造波境界条件に関する要素技術を基にして、(1)与えられたエネルギースペクトルに対応した周波数と波高を持つ複数の規則波の重ね合わせによる不規則波生成法の開発を行った。さらに、(2)計算領域が移動する場合における境界条件の扱いを検討した。これらの検討により、界面捕獲法の一つであるlevel set関数法を組み込んだ、非定常粘性自由表面流れを計算するナビエ・ストークス・ソルバーにおける不規則波生成法に関して、基礎技術を確立した。また、(3)波浪場における船体まわりの流れを計算するための準備として、同一のナビエ・ストークス・ソルバーをベースとして、船体近傍に生成した格子ブロックと計算領域全体をカバーする背景格子ブロックを重ね合わせて流場を計算する手法を開発した。これにより、背景格子ブロックにおいて生成した任意の波浪場の中を航行する船体まわりの流れを計算することが可能となった。
|
