2011 Fiscal Year Annual Research Report
核燃料再処理における化学的基盤としての中重アクチノイド元素の溶媒抽出挙動
Project/Area Number |
21360468
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
篠原 厚 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60183050)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 成人 大阪大学, 大学院・理学研究科, 講師 (00197162)
吉村 崇 大阪大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (90323336)
笠松 良崇 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教 (70435593)
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Keywords | アクチノイド / 重アクチノイド / 超重元素 / 溶媒抽出 / 燃料再処理 / 単一原子化学 / マイクロチップ / 加速器 |
Research Abstract |
本研究は、ランタノイドとマイナーアクチノイドと呼ばれるAm、Cmなどトレーサーとして扱える元素の溶媒抽出の系統的実験と、100番を超える重元素領域の化学実験からなる。後者は、単一原子を対象とする化学となり、重イオン加速器からのビームをアクチノイドターゲットに照射することで対象原子を製造しつつ、ガスジェット搬送システムにより化学装置に運び、オンラインで迅速化学実験を多数回繰り返すことにより実現する。 今年度は、最終年度に当たり、トレーサー実験で得られた、全ランタノイド元素、3価アクチノイド元素であるAm、Cm、Cf、そして昨年度加速器実験で初めて系統的なデータが得られたBk、Es、Fmの結果を整理解析した。本研究で、アクチノイドで初めて見出された大きなテトラド効果を元に、f電子の化学結合性についての考察がなされ、論文発表も行った。また、NoやLrの実験計画も検討され、より短寿命核の実験のためのオンライン溶媒抽出装置の改良が行われた。また、Noのオンライン還元を目指した電解マイクロチップも含め各種『マイクロデバイスの開発に着手した。今後、NoやLrの実験を行い、5f電子の結合性についての系統的研究をさらに進展させる予定となっている。 本研究で得られるアクチノイド元素の全範囲に渉る系統的な錯形成安定性(安定度定数)や5f電子の化学結合性に関する定量的データは、基礎化学としての意義はもちろんであるが、核燃料再処理の化学的基盤として重要な知見である。
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Research Products
(16 results)