2009 Fiscal Year Annual Research Report
網羅的分子系統解析に基づく頭索動物亜門の種多様性と進化経路の解明
Project/Area Number |
21370034
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
西川 輝昭 東邦大学, 理学部, 教授 (50126885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 睦 東京大学, 大気海洋研究所, 教授 (90136896)
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Keywords | ナメクジウオ / 分子系統解析 / supermaterix法 / 隠蔽種 / ナメクジウオ属 / カタナメクジウオ属 |
Research Abstract |
繰越を行い、平成22年度にも研究を継続した。繰越分はおもに野外調査に支出した。 1. 標本採集:平成21年度は、21年5月にベトナム民主共和国ニャチャン、22年2月にオーストラリアシャーク湾(22年度計画を前倒し)、およびパラオ共和国(計画に追加)において、SCUBAによる潜水調査を実施した。前者では、Asymmetron lucayanum-species complex、Epigonichthys maldivensis(?)、およびBranchiostoma belcheri、オーストラリアでは、E. cultellus(?)とB. sp. cf. belcheri、そしてパラオではAsymmetronの他、E. cultellus(?)とB. malayanumを採集することができた。平成22年度は、22年9月にカナリア諸島・テネリフェ周辺およびセネガル共和国ダカール、23年3月にスリランカ共和国で野外調査を実施した。ダカールは当初の予定にはなかったものだが、カウンターパートが見つかったため、テネリフェから足を延ばした。テネリフェでは傭船して悪天候の中をドレッジし、またスリランカでは悪い海況のなかでSCUBA調査を強行したが、ともに標本は採集できなかった。他方ダカールでは、Branchiostoma属の2種を採集することができたが、B. senegalenseのタイプ産地(ダカール沖のゴレー島)が採集地に含まれていることは殊に意義深い。 2. 分子系統学的解析:上記標本を含め、Branchiostoma属の解析に重点を置いて実施した。一部の標本についてはミトゲノム全周の塩基配列を決定して頑健なバックボーンを構築し、そこに、多数のOUTで作成した系統樹を重ねた(supermatrix法)。その結果、B. belchieriの正体が確度高く明らかになるとともに、本属に多数の隠蔽種が存在することがわかった。 3. 研究発表:沖縄県那覇市で21年12月に開催された国際学会で、これらの成果の一部を発表した。また、論文投稿の準備をすすめた。
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Research Products
(1 results)