2009 Fiscal Year Annual Research Report
染色体複製開始及び分配制御に関与する新規ヒストン結合蛋白質GRWD1の解析
Project/Area Number |
21370084
|
Research Institution | National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East |
Principal Investigator |
藤田 雅俊 National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East, ウイルス部, 室長 (30270713)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和賀 祥 日本女子大学, 理学部, 准教授 (60222402)
|
Keywords | Cdt1 / GRWD1 / 複製開始制御 / 細胞周期 / ヒストンシャペロン / 複製開始点 |
Research Abstract |
Cdt1はORC/CDC6と共に、複製ヘリカーゼMCMの染色体へのloadingを行っている。Cdt1は強くMCM loadingを促進する。そのCdt1の新規結合蛋白として同定されたのがGRWD1である。ほとんど解析がなされていなかったGRWD1について、Cdt1との結合を介してMCM結合を促進しているとの仮説のもと検討を進めている。本年度は以下の結果が得られた。(1)GRWD1は新規ヒストン結合蛋白質であり、予備的な結果はヒストンシャペロン活性を持つ事を示唆した。今後さらに高い精製度の標品を得て、この結果を明確にしたい。(2)クロマチン免疫沈降の結果、GRWD1はCdt1依存的に複製開始点に結合していることが示唆された。そして、(3)GRWD1をsiRNAで抑制するとMCM loadingが部分的に抑制された。以上から、GRWD1はCdt1との結合を介して複製開始点に集積し、ヌクレオソームの構造を制御することでMCMのクロマチン結合を制御しているとの仮説が考えられ、さらに検討を進めている。また、ヒト細胞においてGRWD1の抑制はM期進行の異常も惹起するが、そのメカニズムの解析はあまり進んでいない。一方、上記したGRWD1のS期および分裂期制御への関与を、S期とM期を独立して解析する事が容易なカエル卵抽出液による試験管内複製・分裂の実験系を用いて解析する為に、アフリカツメガエルGRWD1(XGRWD1)のクローニングを行い、組換え蛋白質の作成を行った。そして、精製XCdt1とXGRWD1の結合が試験官内で確認された。現在、抗体作成を試みており、抗体が得られればGRWD1免疫除去を行い、S期及び分裂期への影響を解析する予定である。
|
Research Products
(6 results)