2010 Fiscal Year Annual Research Report
染色体複製開始及び分配制御に関与する新規ヒストン結合蛋白質GRWD1の解析
Project/Area Number |
21370084
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤田 雅俊 九州大学, 薬学研究院, 教授 (30270713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和賀 祥 日本女子大学, 理学部, 教授 (60222402)
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Keywords | Cdt1 / GRWD1 / 複製開始制御 / 細胞周期 / ヒストンシャペロン / ライセンシング制御 / MCM / 複製開始点 |
Research Abstract |
Cdt1はORC/CDC6と共に、複製ヘリカーゼMCMの染色体へのloadingを行っている。Cdt1は強くMCM loadingを促進する。GRWD1は新規Cdt1結合蛋白として同定された。GRWD1はCdt1との結合を介してMCM結合を促進しているとの仮説の基で検討を進めている。昨年までの結果と併せて以下のことが明らかとなって来た。 (1)GRWD1は新規ピストン結合蛋白質であり、この結合にはN末のAcidic domainが重要である。(2)GRWD1はmononucleosomeを形成するヒストンシャペロン活性を持つ。この活性へのAcidic domainの寄与を検討中である。(3)クロマチン免疫沈降の結果、GRWD1はCdt1依存的に複製開始点に結合していることが示唆された。(4)GRwD1の複製開始点への結合はG1期で増加し、G2/M期で減少する。(5)GRWD1をsiRNAで抑制すると複製開始点でのMCM loadingが部分的に抑制された。以上から、GRWD1はCdt1との結合を介して複製開始点に集積し、ヌクレオソームの構造を制御することでMCMのクロマチン結合を制御しているとの仮説が考えられる。Acidic domain欠損変異型GRWD1のMCM loading促進能が低下するのかどうかの確認が重要な実験となってくるであろう。一方、S期とM期を独立して解析する事が容易なカエル卵抽出液による試験管内複製実験系を用いて、GRWD1のS期への関与を解析する為に、アフリカツメガエルGRWD1(XGRWD1)のクローニングを行い、組換え蛋白質の作成を行った。そして、精製XCdt1(及びXCDC6)とXGRWD1の結合が確認された。特異的抗体を作成し、抽出液からXGRWD1免疫除去が可能なことを確認したので、そのS期への影響を解析する予定である。
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Research Products
(5 results)