2011 Fiscal Year Annual Research Report
染色体複製開始及び分配制御に関与する新規ヒストン結合蛋白質GRWD1の解析
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21370084
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤田 雅俊 九州大学, 薬学研究院, 教授 (30270713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和賀 祥 日本女子大学, 理学部, 教授 (60222402)
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Keywords | GRWD1 / Cdt1 / 複製開始複合体 / 細胞周期 / ヒストンシャペロ / MCM / クロマチン / 次世代シークエンシング |
Research Abstract |
Cdt1はORC/CDC6と協調して、複製ヘリカーゼMCM複合体を染色体へloadingする。Cdt1は強くこの反応を促進する。GRWD1は新規Cdt1結合蛋白として同定された。これまでの研究から以下のことが明らかとなった。(1)GRWD1は新規ヒストン結合蛋白質であり、ヒストンシャペロン活性を持つ。(2)GRWD1はCDC6/Cdt1と物理的に相互作用し、これらに依存して複製開始点に結合する。(4)GRWD1の複製開始点への結合はG1期で増加し、G2/M期で減少する。(5)GRWD1をsiRNAで抑制すると複製開始点でのMCM loadingが抑制される。以上から、GRWD1はCDC6/Cdt1との結合を介して複製開始点に集積し、ヌクレオソームの構造を制御することでMCMのクロマチン結合を制御しているとの仮説が考えられる。この過程には、我々が同定したCdt1結合性クロマチンリモデラーSNF2Hも関与しているだろう。GRWD1のsiRNAによる抑制が実際に複製開始領域のクロマチン構造に影響を与えるのかどうか、合わせてGRWD1が複製以外でもクロマチン構造制御において重要な役割を演じているのかどうかを明らかにすることを目的に、次世代シークエンサーを用いてFAIRE-Seqを行った。その結果、いくつかの複製開始領域を含む多くの領域でGRWD1がクロマチン構造のopennessに影響を与えていることを示唆する結果を得つつある。今後、GRWD1抗体等を用いた、ChIP-Seqも予定している。プロテオミクスアプローチによりGRWD1の新規結合因子を網羅的に同定したところ、いくつかの転写因子も同定され、FAIRE-Seqの結果とあわせ興味深い。この解析では、他に種々の興味深い因子が同定されており、GRWD1のクロマチン/細胞周期制御における重要性を支持する。一方、カエル卵抽出液試験管内複製系においても、XCdt1及びXCDC6とXGRWD1の結合が確認された。特異的抗体によるXGRWD1免疫除去のS期への影響を解析している。
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Research Products
(7 results)