2010 Fiscal Year Annual Research Report
環境ストレス耐性の付与にはたすスペルミジンの機構解明
Project/Area Number |
21380028
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
森口 卓哉 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 果樹研究所果樹温暖化研究チーム, チーム長 (80343945)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺上 伸吾 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 果樹研究所果樹ゲノム研究チーム, 研究員 (20507595)
中島 育子 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 果樹研究所果樹温暖化研究チーム, 主任研究員 (80355362)
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Keywords | ポリアミン / 環境ストレス / スペルミジン / 組換え体 / セイヨウナシ |
Research Abstract |
1)スペルミジン合成酵素(SPDS)遺伝子をアンチセンス方向で導入した組換え体の培養シュートに対して、塩(150mM)またはカドミウム(150μM)ストレスを与え、膜の健全性(マロディアルデハイド;MDA値で評価)や、プロリン含有量を調査するとともに、スペルミジン含有量の多少とストレス耐性程度の関係について解析を行った。今後、super oxide dismutaseなどの抗酸化酵素活性について測定し、スペルミジン含有量との関係を調べるために材料の調整を行っている。 2)センス系統(#32)は野生型よりも環境ストレス耐性が付与されているが、その原因解明の第一歩として、Seegene社のGeneFishng法(ディファレンシャルディスプレイ法の一種)により、#32と野生型の間で発現差のある遺伝子を単離するために、60セットのプライマーを用いてPCRを行い、合計42種類の遺伝子を得た(21種類は#32で野生型よりも発現が高く、残る21種類は野生型で発現が高い)。これらにはメタロチオネイン様タンパク質遺伝子、RAV転写因子遺伝子、デハイドリン、タウマチン様タンパク質遺伝子などが含まれていた。ストレス耐性への関与が想定される10種類(5種類は#32で野生型よりも発現が高く、残る5種類は逆に野生型で発現が高い)の遺伝子を選抜し、塩、またはカドミウムスロレス下での発現解析を行った(論文として発表:詳細は論文参照)。さらに、DNAマイクロアレイ解析を行うため、野生型とSPDSセンス導入系統からRNAを抽出し、シアニン3-CTP色素でラベル化したcRNAを合成し、ハイブリダイゼーションを行った。現在、データを解析しているところである。
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Research Products
(1 results)