2011 Fiscal Year Annual Research Report
メス特異的性染色体Wの進化をカイコとクワコの比較ゲノムから明らかにする
Project/Area Number |
21380042
|
Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
門野 敬子 独立行政法人農業生物資源研究所, 昆虫ゲノム研究ユニット, 上級研究員 (40355722)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三田 和英 独立行政法人農業生物資源研究所, 昆虫科学研究領域, 特任上級研究員 (30159165)
阿部 広明 東京農工大学, 大学院・農学研究院, 助教 (80222660)
前川 秀彰 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター・分子生命科学研究施設・遺伝子機能解析学分野, 教授 (60100096)
中島 裕美子 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター・分子生命科学研究施設・遺伝子機能解析学分野, 准教授 (70244340)
行弘 研司 独立行政法人農業生物資源研究所, 遺伝子組換えカイコ研究開発ユニット, 主任研究員 (50343992)
|
Keywords | クワコ / カイコ / 進化 / 性染色体 / W染色体 / トランスポゾン / 性決定 / Bombyx |
Research Abstract |
各野蚕種の系統・分岐年代はミトコンドリア等のマーカーのシークエンスで解析可能である。しかし、実際のゲノムのダイナミックな変遷を知るために、ゲノム中に存在するSINE(短鎖散在反復配列:short interspersed nuclear element)に注目した。SINEは染色体の再編成・遺伝子の発現調節等に関与し、ゲノムに最もインパクトを与えると予想される。そこでカイコ類縁野蚕ゲノムでBm1の解析を行った。Bm1およびその類似型SINEは多くのカイコガ上科のゲノムにも存在することが分かった。Bm1構造の比較解析から、Bm1の駆動部の起源は転写因子Kendoで、約5400万年前に分離したこと、およびBm1は発現部と駆動部が機能的に独立しており、相互に交換することにより進化したことがわかった。さらに、Bm1は現在も数百の活性型を持ち活発に増殖していること、Bm1の系統特異的な変異を分類することで年代測定の標識として利用可能であることを明らかにした。いっぽう、転移因子mariner-like element(MLE)は多くの生物のゲノムに存在していることから水平伝播によって広がったと考えられている。カイコにもMLEは6タイプ報告されており、タイプごとにコピー数が異なっている。その中で唯一ゲノム上に1コピーしか存在しない第6番染色体上のBmTNML座位(MLEにL1BmとBMC1が入れ子に挿入されたユニット)について、これら3つの転移因子のこの座位への挿入時期と順位を、クワコで明らかにした。3つの転移因とホストゲノみの置換速度はほぼ同じで、MLEはカイコとクワコの共通祖先のゲノムに挿入した古いMLEであること、BmamaT1は一部のクワコ集団ゲノムに最近挿入され、また抜け出たことが確認された。BmamaT1もクワコにおいて現在も活性を持っている可能性が示唆された。
|
Research Products
(13 results)
-
[Journal Article] The silkworm W chromosome is a source of female-enriched piRNAs2012
Author(s)
Kawaoka S, Kadota K, Arai Y, Suzuki Y, Fujii T, Abe H, Yasukochi Y, Mita K, Sugano S, Shimizu K, Tomari Y, Shimada T, Katsuma Shimada, T.
-
Journal Title
RNA
Volume: 17
Pages: 2144-51
Peer Reviewed
-
[Journal Article] Female sex pheromone and male behavioral responses of the bombycid moth Trilocha varians : comparison with those of the domesticated silkmoth Bombyx mori2012
Author(s)
Daimon, T., Fujii, T., Yago, M., Hsu, Y.-F., Nakajima, Y., Fujii, T., Katsuma, S., Ishikawa, Y., Shimada, T.
-
Journal Title
Naturwissenschaften
Volume: 99
Pages: 207-215
Peer Reviewed
-
[Journal Article] Molecular phylogeny, laboratory rearing, and karyotype of the bombycid moth, Trilocha varians2012
Author(s)
Daimon, T., Yago, M., Hsu, Y.-F., Fujii, T., Nakajima, Y., Kokusho, R., Abe, H., Katsuma, S., Shimada, T.
-
Journal Title
Journal of Insect Science
Volume: 12
Pages: 1-17
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] Molecular genetics of the densovirus resistance genes in Bombyx silkworms2011
Author(s)
K. Kadono-Okuda, D. O. Ogoyi, H. Masui, K. Kidokoro, M. Ajimura, K. Ito, K. Yukuhiro, E. Kosegawa, Y. Banno, H. Maekawa, Y. Nakajima, K. Morimoto, M. Ichida, T. Adachi, K. Yamamoto, K. Mita
Organizer
22nd Congress of the International Sericultural Commission
Place of Presentation
Chiangmai(タイ)
Year and Date
20111214-17
-