2009 Fiscal Year Annual Research Report
半商品経済を組み込んだ生消共生型の農林産物生産と流通に関する総合的研究
Project/Area Number |
21380137
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
野見山 敏雄 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (20242240)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
波夛野 豪 三重大学, 大学院・生物資源学研究科, 教授 (30249370)
万木 孝雄 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (30220536)
唐崎 卓也 東京農工大学, 農村工学研究所・農村基盤研究領域, 主任研究員 (10370529)
千年 篤 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 准教授 (10307233)
福田 恵 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 講師 (50454468)
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Keywords | 農業経済学 / 半商品 / 生消共生 / 流通 / 農林産物 / CSA |
Research Abstract |
本研究では,「半商品」=「生産者と消費者が商品を超えた使用価値を見いだした農林産物」の生産と流通を行う事例を国内及び海外の調査により広く探索する。そして,「半商品」を生み出す生消共生型の生産と流通のあり方を分析するためのフレームワークを理論的・方法論的に確定する。最終的には,このフレームワークに基づいて,半商品経済を組み込んだ生消共生型農林産物の生産・流通の仮説的モデルを提示する。 1)哲学者・内山節氏を本研究会に招聘し意見交換を行った。渡植彦太郎の「使用価値と社会学」と「半商品」の概念整理を行い,本研究課題のフレームワークをより明確にした。その際,群馬県上野村の事例調査から,「半商品」概念は単なる「ものの取引」に終わらず,生産者と消費者が互いの暮らしを成り立たせようとする次段階的な概念として位置付けられことを明らかにした。 2)中国・雲南省社会科学院民族学研究の程厚思教授(研究協力者)の全面的な協力を得て,雲南省〓西県の漢族及び苗族の集落調査を行った。そこでは集落内における農家間の経済格差が大きいこと,また商品経済が進展しているにもかかわらず,都市への移動についてあまり関心がないことが明らかになった。 3)多様な人材の協働によって運営される農業体験,里山保全,農産物直売等の活動の分析結果から,活動に関わる多様な人材間にコミュニケーションの契機を与え,活動に対する参加インセンティブとして機能する媒体の必要性を明らかにした。有効な媒体の一つに地域通貨を挙げ,農産物や里山資源等を原資とする地域通貨の優位性を考察した。
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